雲海は、山頂などの高い位置から見渡すと一面に広がる「雲の海」。非常に幻想的で、見られる保証もないため貴重な現象です。気温や風向きなどさまざまな条件がそろう必要があり、見られれば神様の贈り物とも言えます。
雲海を楽しめるスポットとして、北海道トマムの雲海テラス、東洋のマチュピチュとも言われる竹田城などが有名です。雲海テラスでの見ごろは5月から10月。次の旅行の計画を立てる時期に、選択肢の1つとして持っておきたいものです。
雲の上で絶景を楽しみ尽くす:雲海テラス
北海道の星野リゾート トマムにある雲海テラスは、山麓からゴンドラで13分、標高1,088メートル。雄大な山々とともに壮大な雲海が望める絶景スポットです。
雲海テラスで見ることのできる雲海は主に3種類。北海道東部沖で発生した大規模な海霧が十勝平野を覆い、日高山脈を越えてトマムに流れ込む「太平洋産雲海」は、トマムならではのダイナミックな雲海です。雲の勢いが強すぎるとテラスが雲の中に入ってしまい、勢いが弱いと日高山脈を越えられないなど、絶妙な気象条件が重なるタイミングでなければ見られません。
風が弱く晴れた夜、熱が上空に逃げて冷えた空気が盆地状の地形の底に溜まって発生する放射冷却による「トマム産雲海」は、雲海の中からホテルが突き出て見えることもあり印象的です。この雲海が見られる朝の気温は、山麓よりも山頂の方が高くなります。出現率は低いものの、天気が悪いときには「悪天候型雲海」が見られるかもしれません。
雲海テラスは、春から秋の早朝限定でオープンします。シーズン中、雲海に出会える確率はおよそ40%。翌日に発生する雲海の種類や発生率などの「雲海予報」を公式ホームページやホテルで確認できるようになっています。
雲海テラスでは、隣接するカフェの「雲海コーヒー」などを片手に、体を温めながら絶景を堪能できるほか、雲の上で絶景を楽しみ尽くせるよう、さまざまな展望スポットが用意されています。
山の斜面から迫り出し、宙に浮く雲の形をしたデッキ「クラウドウォーク」では、雲海が現れれば雲の上を歩くような感覚を楽しめます。2019年7月に誕生した「クラウドバー」は、雲に浮かぶバーカウンターをイメージしたもので、はしごを登った先にある椅子に座ると目の前に雲海と山々の景色が広がります。雲の形をした直径約10メートルの巨大ハンモック「クラウドプール」では、全身が雲の上に浮かぶような体験ができます。
また、テラスのスタッフが当日の雲海について解説する「雲海ガイド」が1日3回無料で実施されます。
「天空の城」の神秘に出会う:竹田城跡
兵庫県の竹田城跡も、美しい雲海を展望できる人気スポットです。秋の良く晴れた朝に濃霧が発生すると、白い雲の海が竹田城跡を包み込むように広がることがあり、まさに雲海に浮かぶ「天空の城」となります。
その姿は、城跡の中から楽しめるほか、城跡の向かいの山の中腹にある立雲峡や、竹田城を挟んで反対側にある藤和峠に登り、外から望むこともできます。
雲海が発生するのは9月から12月の早朝で、特に10月、11月は発生する確率が高くなります。高湿度で十分な放射冷却があり、前日の日中と当日の気温差が大きく、天気の良い、風が少ない時に姿を現しやすくなるとのことです。
竹田城跡は標高353.7メートルの古城山山頂に築かれた山城で、室町時代に但馬の守護大名が築城、安土桃山時代に織田信長の命で秀吉に攻め落とされました。その後、最後の城主が石積みの城郭を整備したとされています。ほぼ完全な状態で残る石垣遺構としては全国屈指の規模で、「日本100名城」にも選定されています。
歴史に思いをはせながら神秘的な自然現象を見ることができれば、一層感慨深い体験となるでしょう。
文・J PRIME編集部/提供元・J PRIME
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