みずほ銀行でシステム障害が多発している。障害のたびにお詫びし、経営陣は再発防止に努めると頭を下げているのに、なぜシステム障害はなくならないのか。

みずほ銀行で起きた数々のシステム障害

いまからおよそ10年前、東日本大震災の3日後に、みずほ銀行で大規模なシステム障害が起きた。義援金の振り込みが集中したことが理由だ。この障害により、振込の遅延やATMの取引停止などが起きた。

その後、みずほ銀行は新システムの開発を開始し、2019年に新システムの全面稼働に至ったが、2021年にみずほ銀行でシステム障害が続発する状況となっている。2月にはATMの約8割が利用不能となり、3月に入っても外貨建ての送金処理が遅れやATMの不具合が発生した。

トラブルが起きるたびにみずほ銀行の藤原弘治頭取は記者会見で頭を下げ、再発防止に向けた取り組みを約束している。しかし8月には2021年に入ってから5度目と6度目となるシステム障害が起き、店頭での出入金やATMに影響が出た。

トラブルはなぜなくならないのか

ではこうしたトラブルはなぜなくならないのか。

それぞれのシステム障害の原因は、バックアップが機能しなかったことや機器の破損などさまざまだ。これらの原因には共通していることがないように見える。となると、組織としてトラブル回避に対する認識の甘さがあると言わざるを得ないだろう。

システム設計や日常的な機器の点検にしっかり努めていれば防げたシステム障害は少なくない。

ただし、組織における意識改革は決して簡単なものではなく、トップが大号令を出したからといってすぐシステム障害がなくなるわけではない。

対策は待ったなしの状況

みずほ銀行は現在、8月に起きた5回目と6回目の原因について調べているが、いずれかのタイミングで組織改革に踏み込んだ中長期戦略の策定が、改めて必要になるのではないか。

銀行は顧客の大切な資産を預かっている。みずほ銀行ではシステム障害だけではなく、不正な引き出しなども確認されており、対策は待ったなしの状況だ。

執筆・
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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