昨今の新車市場はトヨタの一強ともいえる状態が続いている。なぜ、コロナ渦でもトヨタの勢いが止まらないのだろうか。日産やホンダが出遅れている理由とはなんなのか。トヨタ一強の理由を探っていく。

2021年上半期の売上台数TOP10は?

自動車販売協会連合会によると、2021年1~6月での乗用車ブランド通称名別順位は、10位中トヨタ車が8台を占め、日産とホンダが1台ずつだった。

トヨタの定番人気車アルファードやヴォクシーはいうもでもなく、近年人気のSUV車ライズやハリアーなども売れ行きは好調。

日産はノート、ホンダはフリードがランクインと健闘しているものの、その差は歴然としている。

2021年7月のメーカー別販売台数も合計247,148台のうちトヨタが134,616台を占め、その数は群を抜いている。ちなみに2位は輸入車を除けば25,443台のホンダであり、トヨタは約5倍以上の圧倒的な販売数となった。

トヨタがTOP10の内8台を占める!独走している理由は?

5ナンバー車に対する期待は依然として高い傾向にある。その期待に応えているのがトヨタだ。

HVやSUV、後席スライドドア付きのワゴンといった車種を重点的に投入し、ユーザーニーズをつかんでいる。 日産やホンダもセレナやフリードといった車種を持っているが、トヨタに比べると車種が少なく選択肢が限られている。

またトヨタでは10位にランクインしたシエンタだけでなくプリウスやパッソなど、家族向けや外観の嗜好を凝らしたもの、使い勝手のいいものなど選択の幅が広いという特徴もある。

販売店舗数の違いも大きいだろう。トヨタの販売店舗数が約4,600店舗であるのに対し、日産は約2,100店舗・ホンダは2,150店舗と倍以上の開きがある。販売店舗数の違いは、売上の違いに直結するといえるのかもしれない。

アフターサービスや車検など、どこに住んでいても安心して受けられるのは、ユーザーにとって購入の決め手の一つとなるだろう。

日産・ホンダが出遅れた理由

出遅れているとはいえ、販売店舗数を考えると日産・ホンダも健闘している。ただ、日産・ホンダは顧客の動向を見誤ったことが、この差を生み出した要因の一つといえるかもしれない。

アルファードが室内空間の快適さを売りにしたのに比べ、競合である日産エルグランドは走りの良さを強調した後輪駆動にこだわった。かつて人気だったホンダのフィットやステップワゴンも同様だ。

フィットはベースを19年以上保持し続け飽きを覚えさせている傾向があり、ステップワゴンはハイブリッド化で後れをとった。

日産・ホンダの車種は商品力が劣るわけではない。車種の絞り込みやチェレンジ精神の薄れ・ハイブリッド車の遅れなど、顧客のニーズを見誤ったために、トヨタに大きな差をつけられたのだ。

文・逆瀬川勇造

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