「エコになる」「地球にやさしい」ということで広がっていた「アイドリングストップ」。ここに来て、あえて搭載しない車も増えている。なぜだろうか。

アイドリングストップが広がった背景

アイドリングストップは次のような理由で広がった。

1.環境にやさしい

停車時にはエンジンがストップし、排出ガスを抑えられる点から環境に優しいといわれている。

2.燃料の節約になる

無駄にエンジンを動かさないため、燃費が良くなり燃料の節約になる。ちなみに、環境省によると「1台の乗用車が毎日10分間ずつアイドリングをやめれば、年間約310Lの燃料が節約でき、約3万円の節約になる」という。

3.騒音が抑えられる

信号など、短時間の停止中でも自動でエンジンがストップするため、騒音が抑えられる。

アイドリングストップのデメリットとは?

メリットも大きいアイドリングストップ。なぜ疑問視されるようになったのだろうか。デメリットを見ていこう。

1.ストップしている間にエアコンもストップする車種がある。

アイドリングストップによりエンジンが止まることで、併せてエアコンが停止、送風に切り替わる車種もある。この点は、猛暑日や極寒日も多い日本では致命的なデメリットかもしれない。

ただし、車種によっては、車内温度が一定温度に達するとアイドリングストップが作動しなくなるもの、エンジンが止まってもバッテリーでエアコンを動かすものもある。

2.バッテリーに大きな負荷がかかる

そもそも、アイドリングストップ搭載車のバッテリーには、非搭載車の2倍程度の費用が掛かっているため、車の販売価格も高くなりがちだ。それに加え、アイドリングストップ搭載車はエンジンの始動回数も多くなるため、負担がかかり寿命が短くなる傾向にある。

3.何度もエンジン再始動をすると燃費が悪くなる

アイドリングストップで何度もエンジンをストップ、再始動させることは、エンジンをかけっぱなしにするよりも燃料消費が多くなる場合がある。

アイドリングストップはこれからどうなる?

これまで、積極的に搭載される方向だったアイドリングストップ機能だが、最近は非搭載の車も増えている。

デメリットでも紹介した通り、アイドリングストップ機能を搭載するならば、耐久性が高く、価格も高いバッテリーを使わないとならないからだ。

また、燃費改善の観点からもアイドリングストップ搭載が進められていたが、燃費の良いエンジンが開発され、アイドリングストップ搭載車に引けを取らない車種も登場している。

今後は生産コストを抑えるため、アイドリングストップ非搭載車が増えてくることも予想される。環境を重視し、従来通りアイドリングストップ搭載車を選ぶか、それともコストを重視し非搭載車を選ぶか、消費者の判断に委ねられる。

文・田尻宏子

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