シェアリングエコノミーの拡大、テクノロジーの発展で、収益化の幅が広がっている。インターネットを利用して、これまで「自分以外には価値がない」と思われていた所有物への需要を見つけだし、そこから新たな収益を生みだすという発想だ。

代表的な例では、「民泊」という新しい概念を世界中に浸透させたAirbnbがある。乗っていない・使っていない「所有の空き時間」に自動車や駐車場を貸しだす、あるいは滅多に使わないものを貸しだして利用料を得る。動画配信や写真の提供、ブログによるアフィリエイトなどを収入源にするなど、シェアリングエコノミーとインターネットを最大限に活用して、自分がすでにもっている資産を活用してみてはどうだろう。

1.空いている部屋を泊まりたい人に提供する「民泊」

通常の家賃を上回る収入が期待できるため、わざわざ賃貸住宅を借りてまで貸しだすケースもあるようだが、すでに自宅で余っている部屋を貸す、あるいは留守にしている期間のみ貸すのであれば、初期費用も最低限におさえることができる。

現時点では免許や資格も不要。極端にいえば「清潔感がある室内で、寝る場所が確保できれば満足」という短期的滞在者に貸しだすため、賃貸物件のように「駅から5分以内」「築5年以内」など、細かい条件に左右されない点もメリットだ。

2020年の東京オリンピックに向け、今後ますます外国人からの需要が高まると期待されている。

2.乗りたい人、停めたい人に自動車や駐車場を提供

「乗っていない車が車庫に眠っている」「車は1台しかないが、週に数えるぐらいしか乗らない」など、車の待機時間を利用して必要な人に貸しだすという手もある。週末だけしか利用しないのであれば平日、昼間しか乗らないのであれば夜間、料金は車種や車の状態によって異なるだろうが、1時間500円で6時間貸したとしても、何もしないで3000円が手に入る計算になる。1カ月5回貸しだせば、1.5万円の副収入だ。

「車通勤なので平日の昼間は駐車場が空いている」場合は、駐車場を貸しだすことも可能だろう。ショッピングや観光、習い事などの理由で、「平日の昼間だけ特定の場所に数時間車をとめたい」という人も多い。地元の一般的な駐車場より目的地に近い、あるいは料金が安いといった利点から需要があるはずだ。

3.「滅多に使わないもの」のP2Pレンタル

「自分が必要ない時でもほかの人には必要」というものは車や駐車場だけではない。例えば旅行用のスーツケースを使う機会は年に何度あるだろう?余分なゴルフクラブや自転車、ビデオゲーム、スノーボード、パーティー用のドレスなど、常に手元にないと生活に支障をきたさないものであれば、眠らせておくより固定資本として活用しよう。

ただし民泊同様、潜在的なトラブル回避対策として、「貸しだしマニュアル」の作成は必須である。

4.集客力の高いブログ、アフェリエイトを作成

インターネットを利用して稼ぐ手段としてすっかり定着したものの、利益につなげるにはそれ相当の努力が必要だ。どんなブログが人気なのか、どうすればまとまった成功報酬が得れるのか、マーケティング力と戦略が問われる。自分自身のスキルも立派な資産だ。自身がある方は挑戦してみるのも良いだろう。

最も簡単なアフェリエイトとしては無料ブログを開設し、広告を貼るだけ。しかし漠然とブログを運営しているだけではクリック数は伸びない。コンテンツの充実度を高めることはいうまでもなく、アフェリエイト作業の効率化が図れるツールなどを利用して、集客の最大化を意識することが重要だ。

5.オークション、フリーマーケット、ネットショップで「商品」を販売

「ものを書くのは苦手」という人は、不要な洋服や本、CD、ゲームなどを販売してみてはどうだろう。単に捨ててしまうよりも、「欲しい」と思う人に安価で売る。あるいは自宅でほこりをかぶっているプレミアムアイテムや骨とう品が、予想外の高価格で売れるかも知れない。

日本では「ヤフオク!」や「ラクマ」などが、ネットオークションやフリーマーケットとして信頼度が高いようだ。国外では世界最大のネットオークション「eBay」のほか、自分のアート作品や手作りのアクセサリーや小物を一点から販売できる「Etsy」や「Minted」といったオンラインマーケットの利用が脅威的に伸びている。

一歩進んでネットショップを開設するのも一案だ。「最初に大量の商品を仕入れなければネットショップを開設できない」というのは固定観念にほかならない。例え少量でもネットショップは始められる。

「eBay」や「Etsy」では商品数に関わらず、自分のショップを開設することが可能なため、副業を徐々に拡大したい人には絶好の場といえるだろう。

6.動画配信、ネット著作権で稼ぐ

「趣味で動画や写真を撮影したり、執筆活動をしている」という人も多い。撮影した動画をYou Tubeやニコニコ動画など収益システムが充実しているサイトにアップロードし、再生件数やアフェリエイトで稼ぐ。

世界中の視聴者をターゲットにできる巨大なマーケットYoutubeは、視聴から報酬を得られる「YouTubeパートナープログラム」を提供している。ただし今年2月から参加条件 が厳しくなり、「チャンネル登録者が1000人以上で、過去1年間の総再生時間が4000時間以上のクリエーター」のみが参加できるので、下積み時代は避けられない。

実際の収益は視聴件数次第だろう。究極の成功例を挙げると、世界中に530万人のチャンネル登録者をもつスウェーデンのPewDiePieがYouTubeで得た所得は、2015年1500万ドル、2016年1200万ドルというから驚きだ(フォーブス誌2017年12月7日付記事 )。「デジタルセレブ」との異名も納得の稼ぎっぷりである。

また素人でも自分で撮影した写真で稼ぐ手段がある。予め用意された写真素材を販売するストックフォトサイトに登録すれば、使用料から収入を得られる。

自分のブログや体験、知識、思っていることをまとめ、電子書籍を出版して所得を得ている人も珍しくない。Amazonの「Kindle ダイレクト・パブリッシング」のようなサービスを利用すれば、だれでも簡単に電子書籍を世間に送りだせる。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)
 

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