4月1日より健康増進法が改正され、飲食店では原則屋内禁煙となる。東京都などではさらに受動喫煙防止条例も施行。飲食店での喫煙が大幅に制限される。そこで、リクルートライフスタイルの外食市場調査・研究機関である「ホットペッパーグルメ外食総研」は、飲食店での喫煙・禁煙に関する消費者意識の変化についてアンケートを実施。飲食店での喫煙の制限が、消費者の店選び、また宴会・飲み会への参加意向にどのように影響するかを調査した。

調査時期:2020年1月6日~1月15日
調査対象:首都圏、関西圏、東海圏に住む20~69歳の男女
有効回答数:10,422件
詳しい調査結果はこちら(PDF資料)

喫煙者は全体の17.0%。30~50代の男性の喫煙率が高め

まずは、前提となる喫煙習慣について。喫煙者の割合は全体の17.0%で、そのうち12.3%が主に(紙巻きなどの)たばこの喫煙者、4.7%が主に電子たばこ・加熱式たばこの喫煙者だった。性年代別でみると、40代男性の喫煙率が最も高く28.0%。次いで50代男性が26.1%、30代男性が25.8%となっている。また、圏域別では首都圏の喫煙率が最も高く18.1%だった。
 

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喫煙者は全体の17.0%(画像=Foodist Mediaより引用)

飲食店を選ぶ際、「禁煙」にこだわる人は56.9%

飲食店を選ぶ際、店内の喫煙環境についてどの程度気にしているかを聞いた質問では、飲食店が喫煙できることに「非常にこだわる」と「ややこだわる」の“喫煙こだわり派”が計16.1%。逆に、飲食店が禁煙であることに「非常にこだわる」と「ややこだわる」の“禁煙こだわり派”が計56.9%だった。喫煙習慣別では当たり前のことながら、喫煙者は“喫煙こだわり派”が計46.4%と全体平均よりもはるかに多く、非喫煙者は“禁煙こだわり派”が計67.3%と、こちらも全体平均よりも多い。
 

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「禁煙」にこだわる人は56.9%(画像=Foodist Mediaより引用)

また、4月1日からの法令改正・条例等により、今までより飲食店で喫煙しづらくなることを示した上で、4月以降の飲食店選びで喫煙・禁煙にどのくらいこだわるつもりかも聞いた。全体では、“喫煙こだわり派”が計15.3%、“禁煙こだわり派”が計58.9%という結果に。喫煙習慣別では、喫煙者は“喫煙こだわり派”が計40.7%、非喫煙者は“禁煙こだわり派”が計69.3%となっており、これまでと比べると禁煙寄りの人が多くなる傾向だが、大幅な数字の変化はないようだ。もしかしたら、飲食店で喫煙ができなくなることをまだ実感できていないのかもしれない。
 

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大幅な数字の変化はなかった(画像=Foodist Mediaより引用)

喫煙を気にして「会社・仕事関係の飲み会」への参加をためらった人は16.1%

続いて喫煙者と非喫煙者の両者が存在する「会社・仕事関係の宴会・飲み会」についてさらに詳しく聞いた。これまで「宴会・飲み会」に喫煙を気にして参加をためらったことがあるかを聞いたところ、「参加をためらったことがある」が16.1%。性年代別では、最多が40代女性で20.6%、次いで30代男女が同率の19.4%、20代女性が18.7%となった。喫煙が嫌で「宴会・飲み会」への参加をためらったことのある人が一定割合いる実態が明らかになった。
 

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喫煙環境が理由で「宴会・飲み会」の参加をためらった人は16.1%(画像=Foodist Mediaより引用)

また、飲食店での喫煙環境が変わる4月以降、「宴会・飲み会」への参加意向に変化があるかを聞くと、「参加をためらったことがあるものの今後は参加したいと思う」人が10.4%、「参加をためらったことがあり、今後参加したいと思わない」人が5.7%という結果に。参加をためらったことがある人の約3分の2に参加の意向があることがわかった。
 

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参加をためらったことがある人の約3分の2に参加の意向(画像=Foodist Mediaより引用)

禁煙化による客の減少を懸念している飲食店も少なくないようだが、今回の調査で、店内が禁煙であれば「宴会・飲み会」への参加に前向きな人がいることがわかった。飲食店はそうした細やかな需要を上手く取り込んでいくことも今後は求められていきそうだ。

文・上條真由美/提供元・Foodist Media

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