第13戦のスタート

そしてレースは翌日第13戦が同じロンドンの特設コースで開催された。

このコースで前日第12戦が行なわれたため、コースにはラバーがのりグリップの上がっている状況で予選が始まった。最初に走るグループ1ではメルセデスのデ・フリースがトップタイプを出すが、グループ2ではチームメイトのヴァンドーンが上回りメルセデスのワンツー。そしてグループ3では前日もトップを快走していたアレックス・リンが全体トップタイムを出して暫定ポールを獲得した。

迎えたスーパーポールには、リン、エヴァンス、ヴァンドーン、ローランド、ギュンター、デ・フリースが進出。ここではヴァンドーンがトップを奪い返しポールポジションを獲得。2番手にローランド、3番手リン、以下デ・フリース、エヴァンス、ギュンターと続いた。

フォーミュラEシーズン7 第12戦 第13戦ロンドン 混迷するチャンピオン争い
(画像=ヴァンドーンはポールからスタートするものの、レース中盤追突されてリタイヤしてしまう、『AUTO PROVE』より引用)

決勝ではポールからスタートのヴァンドーンが首位をキープし、大きな混乱もなくオープニングラップを終える。デ・フリースは得意のダブルヘアピンの入り口でリンを交わして3位に浮上。ローランドも2位をキープする。

レース中盤になると少し順位が動き、狭いコースのためあちらこちらで接触があり、コース上にデブリが散らばることも多かった。デ・フリースは乗れているのだろう、ローランドも交わしてメルセデスのワンツー体制をこの時点で築いた。

またダ・コスタが前を走るロッテラーのインを刺すもマシンを寄せてダ・コスタはコースアウトしクラッシュ。これでロッテラーはペナルティを受け戦線離脱してしまう。またランキング上位のヴェルニューとモルタラも接触しお互いにポイントを失う展開に。

そしてSCが先導しているときに、ディ・グラッシはピットインをし、その直後に再スタートをしてSCの直後に入るというトリックを使ってトップに出たことになるが、審議対象となりドライブペナルティを受ける。だが、ペナルティを消化せず2周以上走行したため、途中で失格を意味するブラックフラッグを受けてしまう。

これはディグラッシの判断ではなく、チーム戦略であったようでアウディ代表のアラン・マクニッシュはレギュレーションどおりにピットイン、ストップ、リスタートをしていると主張していたが、結果は失格のまま変更されていない。

フォーミュラEシーズン7 第12戦 第13戦ロンドン 混迷するチャンピオン争い
(画像=ロンドンでは英国人ドライバー7名が参戦。ジャガー・レーシングのミッチ・エヴァンス(豪州)は3位に入った、『AUTO PROVE』より引用)

レースはディ・グラッシがトップを走り、デ・フリースとリンの3台でトップ争いを演じるが、事実上は2台でのトップ争いになる。少し間隔を開けてエヴァンス、ギュンター、フラインス、ヴェアラインで3位争いを展開。

そしてトップ争いではリンがファンブーストを使ってデ・フリースを交わし2位に浮上。事実上トップになり、そのままチェッカーを受けた。

アレックス・リン(マヒンドラ)はフォーミュラE初優勝を飾ることとなり、総合でも6位にま で浮上した。

フォーミュラEシーズン7 第12戦 第13戦ロンドン 混迷するチャンピオン争い
(画像=フォーミュラE初優勝となった地元アレックス・リン。右はマヒンドラ代表のギルCEO、『AUTO PROVE』より引用)
フォーミュラEシーズン7 第12戦 第13戦ロンドン 混迷するチャンピオン争い
(画像=2戦続けて2位に入ったニック・デ・フリース(メルセデスEQ)、『AUTO PROVE』より引用)

第13戦の結果は前日3位のリンが優勝、2位は前日に続いてニック・デ・フリース(メルセデスEQ)、3位ミッチ・エヴァンス(ジャガー)が表彰台を獲得。以下ロビン・フラインス(エンヴィジョン・ヴァージン)、パスカル・ヴェアライン(タグホイヤーポルシェ)、マキシミリアン・ギュンター(BMW)が6位だった。

フォーミュラEシーズン7も残すところあと2レース。8月14日、15日に行われるベルリンでシリーズチャンピオンが決まる。今季は10人の優勝者が出ており、混迷を極めている。もちろん、チームランキングも大混戦が続いている。

ドライバーズランキング

13戦終了時点でのシリーズランキングは以下のようになっている。

1位ニック・デ・フリース(メルセデスEQ)95点
2位ロビン・フラインス(エンヴィジョン・ヴァージン)89点
3位サム・バード(ジャガー)81点
4位ジェイク・デニス(BMWiアンドレッティ)81点
5位アントニオ・ダ・コスタ(DSテチータ)80点
6位アレックス・リン(マヒンドラ)78点
7位ニック・キャシディ(エンヴィジョン・ヴァージン)76点
8位ミッチ・エヴァンス(ジャガー)75点
9位エドアルド・モルタラ(ロキット・ヴェンチューリ)74点
10位レネ・ラスト(アウディスポーツ・アプト・シェフラー)72点

となっているものの、優勝は25点入るので、計算上は11位のパスカル・ヴェアライン(タグホイヤーポルシェ)までがチャンピオンの可能性はある。

チームスタンディング

一方、チームランキングは

1位;エンヴィジョン・ヴァージン・レーシング 165点(アウディのPU)
2位:メルセデスEQフォーミュラチーム 158点
3位:ジャガー・レーシング 156点
4位:DSテチータ 148点
5位:BMWiアンドレッティモータースポーツ 143点
6位:アウディスポーツ・アプト・シェフラー134点
7位:マヒンドラレーシング 122点
8位:タグホイヤーポルシェフォーミュラチーム 116点
9位:ロキット・ヴェンチューリ 91点
10位:日産eダムス 79点
11位:ドラゴンペンスキーオートスポーツ 47点
12位:NIO333FEチーム 18点

同じく優勝チームには25点が加算されるので、5位のBMWまでがシリーズチャンピオンの可能性を残している。

提供・AUTO PROVE

【関連記事】
BMW M550i xDrive (V型8気筒ツインターボ+8速AT:AWD)試乗記
マツダ3e-スカイアクティブ X試乗記 トップグレードエンジンの進化
トヨタ ヤリスクロス試乗記 売れるクルマ(1.5Lハイブリッド4WD)
ホンダ N-ONE試乗記 走りが楽しいRS(FF 6速MT、CVT、ターボ&NA)
スズキ ソリオバンディット試乗記(1.2LMHEV CVT FF)