100円均一ショップ大手・キャンドゥの2019年11月期通期決算では、営業利益が35.5%減と厳しい結果となった。しかし、売上高は右肩上がりの状況が続いていることに注目したい。市場規模も拡大を続けているため、今後の業績には期待感も大きい。

売上高は右肩上がりが継続

キャンドゥが1月に発表した、2019年11月期(2018年12月~2019年11月)の通期決算の内容を見てみよう。

  • 売上高 前期比0.8%増の712億9,700万円
  • 営業利益 同35.5%減の11億9,300万円
  • 経常利益 同34.3%減の13億円
  • 純利益 59.3%減の3億2,500万円

     営業利益と純利益の数字だけを見れば、キャンドゥの経営状況が非常に厳しいように見える。しかし、業績の推移に目を向けると違った見方ができる。

    キャンドゥの過去5年の売上高を見ると、

  • 2014年11月期 634億円
  • 2015年11月期 652億円
  • 2016年11月期 680億円
  • 2017年11月期 688億円
  • 2018年11月期 707億円

    と年々増え続けている。

    キャンドゥの2つの経営戦略 不採算店舗閉鎖と新価格帯の設定

    売上が伸びているということは、経費削減が実現すれば最終的に手元に残る利益は増えるということだ。そのためにキャンドゥは、どのような戦略を打ち出しているのだろうか。

    戦略1,不採算店舗を計画的に閉店

    2019年12月に始まった2020年11月期において、キャンドゥは「出店・退店戦略」に力を入れることを発表している。その柱となるのが、不採算の直営店を計画的に閉店し、全国の主要都市や人気の商業施設で、収益性が高い店舗を新たに出店していくというものだ。

    この方針のもと、2020年11月期は新規出店を100店舗、不採算店舗などの閉店を55店舗と設定し、店舗数を1,050店舗から1,095店舗に増やす計画だ。

    戦略2,「200円」「300円」などの新たな価格帯の設定

    さらに「商品戦略」として、100円以外の価格帯で商品を販売する準備を進めているようだ。これは来店客の多様なニーズに応えるための取り組みで、新たな価格帯としては「200円」「300円」「400円」「500円」を検討しているという。

    新たな価格帯での販売開始は、2020年7月を予定。どれだけ新たなファンを増やし、客単価を伸ばせるのか、注目したい。

    100円ショップが逆境を乗り越えるカギは?

    キャンドゥは、現在の経営環境をどう見ているのだろうか。

    決算説明資料によれば、100円ショップ業界は、ネット販売事業者による参入が困難なことなどをプラス要因として挙げている。送料を考えると、ネット業者は単価が安い商品を取り扱いにくいからだ。一方で、雇用確保が難しいことや人件費の高騰などをマイナス要因としている。

    マイナス要因に打ち勝つカギを握るのが、キャッシュレス化の推進やセルフレジの導入などだ。キャンドゥはすでにキャッシュレス対応に向けて試験や検証を行っており、2019年11月期はそのための設備投資費も多く計上している。キャッシュレス対応が進めば、キャンドゥの経営に光が差し込んでくるかもしれない。

     

不況に強い業界、今後はますます売上増?

100円均一ショップは、他業種よりも不況に強い。節約志向が強くなった人の足は、100円ショップに向かうだろう。経済的不安が広がる中、キャンドゥの売上は一層伸びていくかもしれない。
 

文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)
 

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