金持ち企業ランキングTOP10！1位は手元資金が1兆円目前！？

定期的に発表されている興味深いランキングがある。「金持ち企業ランキング」だ。実質的な手元資金の量で企業をランキング化しており、売上高や純利益の増減とは異なる角度から企業を分析できる。

金持ち企業ランキングの最新版を紹介

金持ち企業ランキングを発表しているのは、与信管理サービスを主力事業とするリスクモンスターだ。同社が発表している最新のランキングが、「第9回『金持ち企業ランキング』調査【特別版（中間決算）】」である。

各社の決算書から「NetCash」を算出し、その多寡でランキングを作成した。NetCashは実質的な手元資金の豊富さを表す数字で、以下のように計算される。

NetCash＝現預金－（短期借入金＋長期借入金＋社債＋1年以内返済の長期借入金＋1年以内償還の社債＋割引手形）

では、最新のランキングを紹介しよう。

＜第9回「金持ち企業ランキング」調査【特別版（中間決算）】＞

1〜4位は前回ランキングと変わらず、1位が「任天堂」、2位が「信越化学工業」、3位が「SMC」、4位が「キーエンス」だった。5位は、前回から順位を2つ上げた「セコム」だ。

上位20社のうちNetCashが増加したのは12社で、減少したのは8社だった。

ランキングTOP5の金持ち企業の顔ぶれ

続いて、このランキングでTOP5にランクインした金持ち企業を見ていこう。

1位：任天堂

ゲーム機大手の任天堂は、快進撃が続いている。新型コロナウイルスの感染拡大による「巣ごもり需要」で主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」などの販売が好調となり、2021年3月期の決算では過去最高益を記録した。NetCashは1兆円を目前とする9,926億円、この1年の株価の騰落率はプラス33.59％だった。

2位：信越化学工業

信越化学工業は、塩ビ・化成品事業や半導体シリコーン事業などを展開している企業だ。NetCashは前回ランキングから101億円減ったものの、8,000億円をキープしている。最近では、風力発電機などの脱炭素製品向けシリコーンの増産を発表しており、事業拡大に躍起だ。この1年の株価の騰落率は、プラス54.05％。

3位：SMC

SMCは空気圧制御機器のトップメーカーだ。NetCashは前回ランキングから394億円増の5,761億円だった。2021年3月期決算の売上高は前期比5.0％増の5,521億7,800万円、当期純利益は同10.2％増の1,217億9,000万円と好調。この1年の株価の騰落率は20.24％。

4位：キーエンス

キーエンスといえば、社員の年収が国内トップクラスであることで知られる企業だ。そのキーエンスの主力事業はファクトリー・オートメーション（FA）用センサー。2021年3月期の減収減益だったが、この1年の株価の騰落率はプラス30.68％と堅調だ。

5位：セコム

警備大手のセコムは前回ランキングから順位を2つ上げ、5位となった。NetCashは前回ランキングから535億円増え、4,136億円。セコムは、警備への自律走行ロボット導入に積極的であることでも知られる。この1年の株価の騰落率は、マイナス9.52％。

業界トップ企業がずらり、投資銘柄選びの参考に

トップ5の共通点は、それぞれが各業界におけるトップクラスの企業であることだ。また知名度も高く、高いブランド力を有している。

手元資金の豊富さは、経営が安定していることを示している。そのため、このランキングの上位企業は個人投資家から注目されることも多い。どの企業に投資をするか迷っているなら、定期的に発表されるこのランキングも参考にするとよいだろう。

文・MONEY TIMES編集部

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