五輪で2000年のシドニー大会から正式種目となったトランポリン。起源は、中世のサーカス芸人が空中ブランコの安全ネットでいろいろな宙返りを見せたことが始まりといわれている。遊び感覚で楽しめるトランポリンだが、小さくジャンプするだけでも高い運動効果が得られることから、健康志向の高まりを背景に幅広い世代から注目を浴びている。そこで、楽しみながら有酸素運動ができ、ストレス解消にもなるトランポリンフィットネスについて紹介する。
トランポリンフィットネスとは
トランポリンフィットネスとは、伸縮性のある丈夫な布(ベッド)の中心部でジャンプを繰り返す運動である。跳ぶだけという手軽さと、トランポリンの伸縮性によって体重の7~8割が吸収されるため足腰への負担が軽いのも魅力だ。そのため、運動が苦手な人や性別・年齢を問わず誰でも始めやすいのが特徴となる。
最近では、トランポリンが体験できる施設やトランポリン専門フィットネスジムが全国的に増えているが、スポーツジムに通わなくても家庭用のトランポリンを購入すれば自宅でも始めることができる。
トランポリンフィットネスのメリット
トランポリンフィットネスは、跳ぶだけで高い効果が得られるのが最大のメリット。不安定な場所でジャンプをすると、反射的に姿勢を保持しようという意識が働く。そのため、体幹の筋肉である胸、背中、肩、股関節、おなか周りを一度に使うことになり、それを繰り返すことで心拍数が上がっていき、有酸素運動にもなる。また、全身運動のため、血液やリンパの流れが良くなり、むくみ解消や新陳代謝の上昇にもつながる。
ジョギングも手軽に始められる運動だが、運動が苦手な場合、運動している姿をできるだけ人に見られたくないもの。その点、トランポリンは室内でできるため、人に見られる心配がないし、天候に左右されず行うことができる。トランポリンを5分間跳び続けると、1kmのランニングに相当する30~50キロカロリーを消費するため、高い脂肪燃焼効果も期待できる。
また、トランポリンは子どもの遊びというイメージが強いが、それは跳ぶことが単純に楽しくて子どもたちが夢中になるからだ。跳ぶということで非日常体験ができ、それが楽しいという感覚につながる。短時間で非日常を体験できるため、気分転換やリラックス効果が得られ、ストレス発散になるのだ。