包装時に「真菌」が入り込んでいた?

幸運なことに、パリントンさんのツイートは、ウェストバージニア大学の菌類学者であるブライアン・ラヴェット氏とマット・カッソン氏の目に留まりました。

両氏いわく「トゥインキーのミイラに何が起こったのか気になった」とのこと。

実はパリントンさん自身もまったくの門外漢ではなく、進化生物学の博士号を持っており、数年間、大学で教鞭を執っていた経験があります。そのため、「どんな菌が私のトゥインキーを食べたのかとても興味があった」といいます。

“腐らない伝説”を持つお菓子「トゥインキー」、8年放置して食べた結果「腐った銀杏のような味」
(画像=しなびたトゥインキー / Colin Purrington、『ナゾロジー』より引用)
“腐らない伝説”を持つお菓子「トゥインキー」、8年放置して食べた結果「腐った銀杏のような味」
(画像=真空状態になっていたトゥインキー / Colin Purrington、『ナゾロジー』より引用)

調査の結果、黒いシミのあるトゥインキーと真空状態になったトゥインキーから真菌の胞子が確認されました。

両方ともトゥインキーを包装する際に、空気中の真菌が袋の中に入り込んだものと見られています。

また、しなびたトゥインキーの袋は確かに、真空パックのように内側で吸引されていました。これは真菌が8年間で袋内の空気を消費し尽くしてしまったためでした。

これが原因で真菌の成長もストップしてしまったようです。

菌類の特定はまだ完了していませんが、現時点で、空気中に最も一般的にいる「クラドスポリウム(クロカビの一種)」と推測されています。

研究チームは今後、トゥインキーから採取した菌の遺伝子配列を調べることで、種類を特定する予定です。

“腐らない伝説”を持つお菓子「トゥインキー」、8年放置して食べた結果「腐った銀杏のような味」
(画像=トゥインキーから採取された菌類の拡大図 / Colin Purrington、『ナゾロジー』より引用)

ちなみに、生みの親であるホステス社によると、トゥインキーの消費期限は65日前後となっています。

参考文献
npr

提供元・ナゾロジー

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