【木村ヒデノリのTech Magic #058】 無意識に毎日使うものほどお金をかけたくなる。住環境はその代表例だが、その中で「照明」が及ぼす影響は非常に大きい。睡眠障害の原因には日光不足が挙げられるほど脳と光は密接に関係しており、照明と行動心理に関する論文も多く執筆されるほどだ。筆者もその重要性は痛感して住宅の採光や照明に関してはかなりこだわっている。今回紹介するダイソンの「Lightcycle Morph(ライトサイクルモーフ)」の光は、そんな筆者からしても「かなり優秀」だった。

在宅時間が長い今こそ見直すべきは“照明”、ダイソンの7万超えデスクライトの凄さを紐解く
(画像=ダイソン発の照明「Lightcycle Morph」は
2世代目の製品。以前のものより
自由度やデザイン性が底上げされている、『BCN+R』より引用)
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(画像=さまざまなシチュエーションで使えるのが
ライトサイクルモーフの魅力、
フロアライトタイプもある、『BCN+R』より引用)
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(画像=旧モデルは光の質こそ変わらないが、
デザイン的に少し野暮ったい印象、『BCN+R』より引用)

同じように見えて、まったく違う光の質

 目で見ると同じような光でも実際はかなり違いがある。色温度のように「冷たい(寒色系)」「温かい(暖色系)」のようなものはわかりやすいが、人工光の場合、同じ白色に見える光でも成分が大幅に異なるケースがある。対して太陽光は(虹が出ることでわかるように)分光するとさまざまな色の成分が含まれる。

 人工光はこの成分にばらつきがあり、例えば黄色のみ極端に少ないといった場合がある。こうした光は一見白色に見えるが、黄色が含まれていないため、物や写真の黄色部分の発色が非常に悪くなるのだ。これでは正確な色判断ができないのはもとより、無意識のストレスとして悪影響を及ぼす場合がある。したがって、読書やオフィスワーク、学習など長時間人工光で作業する場合には「光の質」にこだわるのが非常に重要だと言えるだろう。

在宅時間が長い今こそ見直すべきは“照明”、ダイソンの7万超えデスクライトの凄さを紐解く
(画像=左から寒色系、GPS自然光協調、暖色系。
寒色系と自然光は一見すると違いがわからないが、
含まれている成分が違うことがある、『BCN+R』より引用)
在宅時間が長い今こそ見直すべきは“照明”、ダイソンの7万超えデスクライトの凄さを紐解く
(画像=このため、美術館などでは全ての色域が含まれている
色再現性の高い照明が選ばれることが多い、『BCN+R』より引用)

価格は高いが光の質と機能性のバランスは業界最高水準

 光の質は演色評価数(Ra)という値で表されるが、Lightcycle MorphはRa90以上(満点が100)とかなり高い(作業モードで点灯させた場合)。これはダイソンの競合製品として挙げられるBsize社のSTROKE2やBalmuda社のThe Lightよりやや劣るものの、かなり優秀なLEDライトと言えるだろう。

在宅時間が長い今こそ見直すべきは“照明”、ダイソンの7万超えデスクライトの凄さを紐解く
(画像=機能性に関してはライトサイクルモーフがダントツに多い、『BCN+R』より引用)

 また、他製品がシンプルな点灯や調光機能しか持たないのに対し、Lightcycle Morphはアプリと連動した様々な機能の実現が可能となっている。ライトとしては高額すぎるという評価も多く見られるが、機能性と光の質の両面から考えると完成度が高い。単純なデスクライトの機能だけ求めるなら別の製品が良いかもしれないが、意匠も含め生活の中に落とし込めるなら惜しくない投資だろう。

在宅時間が長い今こそ見直すべきは“照明”、ダイソンの7万超えデスクライトの凄さを紐解く
(画像=アプリではスケジュールなどより詳細な設定ができる、『BCN+R』より引用)

間接照明やスポットライトとしても実用的

 Lightcycle Morphは、デスクライトとしてだけでなく、壁に絵画がある場合には「色再現が忠実なスポットライト」としても使える。夜リラックスしたいときなどはライト部分をポールに接続することで柔らかな間接照明としても利用可能だ。自宅では時間帯によって必要な照明がさまざまに変化するが、Lightcycle Morphは1台ですべてをまかなってくれるのだ。

在宅時間が長い今こそ見直すべきは“照明”、ダイソンの7万超えデスクライトの凄さを紐解く
(画像=シチュエーションによってフレキシブルに対応できる
使い勝手は照明として優秀、『BCN+R』より引用)