2010年に「イクメン」という言葉が流行語に選ばれて以降、「父親が育児をする」ということがごく自然と受け入れられるようになりました。そのため、今では自分の子どもが生まることがわかった段階から、しっかりと子育てに向き合っていきたいと考えるパパの数が確実に増えています。

一方、長時間労働の末に心身ともに疲れ果て、慣れない家事や育児にまともに向き合うことができず、夫婦関係にもヒビが入ってしまう……そんな、家庭内外からの「イクメン」に対するイメージと現実とのギャップに苦しんでいるパパがいます。

そんな現代ならではの悩みを抱え、日々葛藤しているパパに向けて書かれたのが、ファザーリングジャパン安藤哲也著『「パパは大変」が「面白い!」に変わる本』。今回はこちらの内容を元に、会社の仕事も家庭の仕事もバリバリこなす、“今の時代に相応しいパパ”になるためのヒントをご紹介します!

ーー安藤哲也(あんどう てつや)
1962年生まれ。二男一女の父親。出版社、書店、IT企業など9回の転職を経て、2006年にファザーリング・ジャパンを設立。厚生労働省「イクメンプロジェクト推進チーム」顧問、内閣府「男女共同参画推進連携会議」委員、内閣府「ゼロから考える少子化対策プロジェクトチーム」、観光庁「休暇改革国民会議」委員などを歴任。NPO法人タイガーマスク基金代表も務める。

「背中」ではなく、面と向かって「笑顔」を見せるパパになろう!

一昔前、それこそ私たちの親くらいの世代であれば、父親は「背中で語ってナンボ」という価値観が浸透していました。しかし、今必要なのはそういう類の“威厳”ではなく、もっと基本的な日常におけるコミュニケーションです。

そこで、ママに対するのと同様、子どもが困っているときには話をしっかり聞くことが大切です。日頃から子どもには黙って「おやじの背中」を見せるのではなく、正面から「笑顔」を見せ、コミュニケーションを取っていればこそ、そうしたときにもしっかりと話し合える関係性を築くことができます。

日々、子どもと向き合ってコミュニケーションを小まめに取っていれば、子どもが悩みを抱えているときなど、普段とは少し違った様子から心理的な変化にも気づいてあげることができます!

日中は家にいないパパこそ意識したい「間接育児」

パパが子育てというと、比較的イメージしやすいのは子どもにミルクを与えたり、オムツを交換してあげることではないでしょうか。しかし、「家族のためにパパができること」と少し広い視点から考えれば、何もそういった直接的なことだけが子育てのすべてではありません。

特に、平日は朝から仕事に出て、帰宅するのは夜遅くというような働き方のパパが意識したいのが「間接育児」です。

例えば、パパが帰宅後に掃除や洗濯などを行うことで、ママの家事の負担が軽くなり、子育てにもっと余裕を持って取り組めるようになります。結果、パパのそれは単なる「家事」ではなくなり、間接的ながら「育児」をしていることになるというものです。

掃除や洗濯以外にも、夜寝る前など、ママの首や肩のマッサージをしながら子どもの一日の様子を聞いたり、ママ友の愚痴を聞いてあげたりすることで心と体の負担を軽くしてあげることも、パパにとっては重要な役割です!(もちろんやってますよね!?)

「ダブルマザー」にならないで!パパが目指すべきは「家庭内イクボス」

家事や育児に熱心に取り組むパパが意外と(?)陥りがちなのが「ダブルマザー」という状態。少しでもママと同じレベルで家事や育児をこなそうと取り組んだ結果、文字通り家庭内に“ママが2人”いるような状況に…。

ママに引けを取らないレベルでピカピカにお皿を洗い、お風呂上がりには子どものスキンケアを完璧に――というのは大変結構ですが、例えば子どもがいけないことをしたとき、両親から同じ注意の仕方をされ、あらゆることに細かいママ的な存在が家庭内に二人もいたら、どうでしょうか。子どもにとって、こうした「ダブルマザー状態」はココロの依り所がなくなってしまいます。
(中略)
ママの笑顔は、子どもの笑顔につながります。さまざまな場面で間接育児を心がけることは、家庭内イクボスならではの視点の一つです。

大切なのは、子育てに熱中して満足感に浸るのではなく、子どもが安全にすくすくと育つ環境を整えてあげること、この点はいつも忘れずに頭に入れておきたいところですね!

夫婦で意見が違ってもいい。家庭内にも多様性を!

Fledge
(画像=Fledgeより引用)

時には夫婦で意見が分かれ、言い合いになることもあるはずです。そんな時でも、何も変に繕ったり、すぐに収束する方向へ無理に持っていくことはありません。(もちろん暴力的な態度や、感情的な怒鳴り合いなどは論外ですが…。)

また、子どもにとっても、パパとママの異なる視点からの議論について何かしら感じ取ることもある上に、どちらかの意見が「唯一の正解」ではないということを知ることも重要です。

例えば、ママが学校の担任の先生を否定する。それに対してパパが「あの先生はいいところもある」と肯定する。こうした多様な意見から、子どもは自分で考え、自分なりの「解」を導き出そうとします。それによって自主性、自立性が育まれるのです。逆に、「ママが言ってることがすべて正しいのよ」という教えで育ってしまった子は、自分で解を探す力、もっと言えば「生きる力」を養うことができません。

弱音を吐けるパパ友を作ろう!

子育てをしていく上での大変さ、楽しさを共有できる「パパ友」はいますか?

いまどきのパパは真面目ゆえに、家庭でも、職場でも弱みを見せられず、歯を食いしばって我慢してしまっている人がたくさんいます。そのため、日頃から「ママ友」がいるママよりもストレスをためやすく、「イクメンブルー」に陥ってしまうのです。
(中略)
「孤独」は人を鍛えますが、「孤立」は人を絶望させます。これからのパパは、もっと「群れる」ということを大事にしてほしいと思います。

地元の公民館で行われるパパママ向けのイベントや、子どもが通う幼稚園・保育園の行事はパパ友を見つけるチャンスです!最近ではFacebookを始めとしたSNSでも「(地域名)× パパサークル」で検索することで見つかることも多いです。

「仕事にプライベートを持ち込むな」はもう古い!

職場で子どもや家庭の状況をしっかりと共有しておくことにも大きな意味があります。

かつて「職場にはプライベートを持ち込まないのが男の美徳」という考えもありましたが、ママは職場で、子どもや家庭の状況を周囲とシェアしながら頑張っています。ママに笑顔で働きつづけてほしいのならば、これからはパパも同様の努力をすべきです。

それによって、突然子どもが体調を崩して早退せざるを得ない状況など、同僚との調整がしやすくなるのはもちろんのこと、そういった姿勢が風通しのいい職場の雰囲気を作ることにも繋がります。

また、子どものいない社員にとっても、子育てをしていく上で何が大変なのか、生きた見本を身近で見ることができるという点でも大きな意味があります!

ファースト・ペンギンたれ!

「ファースト・ペンギン」という言葉をご存知ですか?「ファースト・ペンギン」とは群れで行動するペンギンの中で、食料となる魚を獲るためにリスクを追って一番に海に飛び込める勇気あるペンギンのことを指します。

パパが本気で仕事と育児を両立しようとするときも、前例がない職場ほど勇気が必要です。
(中略)
働き方改革待ったなしのいま、自分自身の成長のため、職場のため、そして世代の働きやすい未来のために、ぜひファースト・ペンギンを目指してください。

仕事と子育ての二頭を追う中で、人によっては会社の中で古い慣習の中、逆境に立たされてしまうことがあるかも知れません。そんな中でも、「ファースト・ペンギンたれ!」という言葉を胸に、自分の信念を曲げることなく行動したいものですね!

子育てという“期間限定”のプロジェクトを楽しもう!

日々、子どもの近くで生活をしていると、本当にささいなことに成長の跡が感じられて、何ともいえない幸福感を得ることがあります。

それと同時に、子育てがができる期間というのも本当に今だけで、きっとあっという間に過ぎていくものなんだなとも感じています。

子育てはまさにパパ・ママに与えられた“期間限定”のプロジェクトです!気づいたら終わっていたということがないように、仕事だけでなく、家庭での子育ても目一杯楽しんじゃいましょう!

▼今回ご紹介した書籍はコチラ
 

Fledge
(画像=Fledgeより引用)

文・たくみこうたろう/提供元・Fledge

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