近年、クラウドファンディングでも不動産投資ができるようになってきました。個人投資家の新しいチャンス「不動産クラウドファンディング」は、手軽さや安定性などで注目されています。いったいどのようなものなのでしょうか。
不特法の改正で小規模不動産投資がネットで行えるように
不動産クラウドファンディング登場の背景には、人口減少社会を迎え、経営資源としての不動産を、観光や物流などの成長分野に振り向けるための政策が求められている日本の事情があります。そうした中、2017年に「不動産特定共同事業法」(不特法)が改正されました。
不動産特定共同事業の資本金要件が緩和され、不動産特定共同事業に伴うすべての手続(契約書面の交付など)がインターネットでできるようになりました。また、小規模不動産特定共同事業も創設されて、小規模の不動産に対する投資もできるようになったのです。
こうしていま、不動産型クラウドファンディングを実施する事業者が次々と現れて、注目を集めつつあります。
不動産クラウドファンディングのメリット
不動産クラウドファンディングのメリットには次のようなものがあります。
少額からできる
インターネットで不動産クラウドファンディングを行っているほとんどの事業者では、最低投資額を1万円としています。誰でも気軽に参加できます。
損失が出ても、ある程度までは保全される
損失が出たとしても、取り決めてある一定の額までは運営会社が負担する仕組みがあります。例えば、投資した不動産の価値が10%ほど下がったとします。あらかじめ損失負担10%の取り決めがあれば、価値が減少したこの10%部分の損失は運営会社が優先して負担する仕組みとなっているのです。
投資物件が見える
ソーシャルレンディングといった他の共同出資形式の商品と違い、投資物件の情報が詳細にわかるようになっています。建物であれば築年数とか、住所によって資産価値を推測できます。自分で投資すべきかどうかの判断材料になります。
手続きが少ない
普通の不動産投資と比べるまでもないのですが、手続きが非常に少なくて済みます。不動産の取得から、売却、運営などを自分の手で行うことを考えれば、インターネットで本人確認し、会員登録をするだけの手続きで済むのですから、格段に手軽です。
複利で運用できる
不動産クラウドファンディングは、元金と分配金が合計されて振り込まれてきます。この元金と分配金の合計をまた新たな案件に再投資すれば、複利で増やせるというわけです。