筋トレに慣れてくると、トレーニング後も筋肉痛にならないことがある。「筋肉が成長していないのでは?」「限界まで追い込めていないのでは?」と思う人もいるだろう。筋肉痛にならなかったとしても、筋トレの効果はあるのだろうか。なぜ、筋肉痛にならないことがあるのだろうか。追い込むための方法と併せて解説していく。

そもそもなぜ筋肉痛は起こるのか?メカニズムを紹介

そもそもなぜ、筋肉痛は起こるのだろうか。筋肉痛とは、トレーニング後しばらくすると筋肉に痛みが出る「遅発性筋痛」のことだ。

  • トレーニングで普段使わない筋肉を使用すること
  • 筋肉に通常以上の負荷をかけること

    で発生しやすい。「遅発性筋痛」が起こるメカニズムは、以下のとおりだ。

  • 筋肉に負荷をかける
  • 筋線維が損傷
  • 身体がその損傷を回復しようとする
  • 損傷部に白血球などの血液成分が集まる
  • 炎症が起こる
  • その際に出る刺激物質が筋膜を刺激する 炎症が起きて刺激物質が筋膜を刺激する時、痛みを感じる。これが、一般的に筋肉痛と呼ばれているものの正体だ。

同じトレーニングをしているのに筋肉痛が起こらない理由は「慣れ」

筋肉痛の原因は、「普段使わない筋肉を使うこと」「通常以上の負荷をかけること」だ。トレーニングをしているにもかかわらず、筋肉痛が起こらない原因もここにある。

トレーニングの負荷に身体が慣れてしまうと、筋肉痛は起こらない。筋肉は、損傷と修復を繰り返すことで、徐々に大きく強くなっていく。筋トレを続けていると、始めた当初より筋肉が大きく強くなっているため、同じ負荷では筋線維の損傷が起きにくくなるのだ。

「筋肉痛にならない=トレーニング効果がない」は間違い

筋肉痛は、筋肥大のサインであることは間違いない。筋肉痛にならないと、「トレーニングの効果がなく、時間を無駄にしてしまった」と思ってしまう人もいるだろう。しかし、そんなことはない。筋肉痛は、筋線維の損傷時に起こる炎症、すなわち痛みだ。この痛みは早期に対処することで軽減したり、なくしたりすることができる。

たとえば、トレーニング後にしっかり栄養を補給し、ストレッチなどのアクティブレストを行えば、それだけ痛みは早く収まる。その場合、筋肥大が起こっていても、筋肉痛にならないことがある。「筋肉痛にならないということはトレーニング効果がない」というのは、間違いなのだ。

筋肉痛を起こすためのトレーニングはどうやって行うのか?3つの方法を紹介

とはいえ、筋肉痛は筋線維の損傷が起きていることが実感しやすいシグナルでもある。筋肉痛にならなくなってきたら、「普段使わない筋肉を使う」「通常以上の負荷」という観点でトレーニングメニューを変え、新しい刺激を与えるのがポイントだ。具体的には、以下のような方法がある。

筋肉痛を起こすトレーニング方法1,負荷(重さ)を変える

「通常以上の負荷をかけること」の例として最もわかりやすいのは、重量を変えることだろう。たとえば、60㎏のベンチプレスをしていて、筋肉痛が起きなくなってきたら70㎏に増やす。負荷が大きいほど、筋線維は損傷しやすい。ただし、過度に負荷を加えるとケガをするおそれがあるので、徐々に上げていくのがいいだろう。

筋肉痛を起こすトレーニング方法2,回数を変える

重さを変えずに回数を増やすことで、筋線維にさらなる負荷をかけることも有効だ。たとえば、ベンチプレスで「60kg×10回・3セット」だったものに、「40kg×10回」を加える。にするなどだ。前者の総重量は1,800kgだが、後者では2,200kgになる。回数を増やすと、特に筋持久力の向上が期待できると言われている。

筋肉痛を起こすトレーニング方法3,種目を変える

「普段使わない筋肉を使う」ために、トレーニング種目を変えることで、使う筋肉の部位を変えることも有効だ。たとえばベンチプレスでは胸の中部が鍛えられるが、インクラインベンチプレスに変えると胸の上部に刺激を与えることができる。ベンチプレスとダンベルプレスはどちらも胸中部を鍛える種目だが、可動域が異なるため別の刺激が入ることになる。

筋肉痛が起こらなくなってきたら、別の種目を取り入れてトレーニングメニューのバリエーションを増やすようにしたい。

筋肉痛でモチベーションをアップ!

「筋肉痛にならなければトレーニング効果はない」ということはないが、ほどよい筋肉痛は「トレーニング効果の実感」において重要だ。筋肉痛によってトレーニング効果を感じられれば、筋トレのモチベーションを持続できるだろう。

筋肉痛がなくなってきたと感じたら、徐々に強度を上げることで効率良くトレーニングを行っていくことをおすすめする。

文・MONEY TIMES編集部
 

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