「アスキーカード」は、タブレットやパソコン、周辺機器を対象とした保険が充実したクレジットカードだ。デジタル機器に囲まれた現代人の生活にとってメリットの多いこのカードについて、デメリット面も含めて紹介しよう。

目次

  1. 1,カードの基本スペックと審査基準――タブレット・パソコン保険充実の1枚
  2. 2,アスキーカードの3つのメリット――タブレット・パソコン保険、NICOSのサービス、その他の付帯保険
  3. 3,ポイントサービス、還元率――利便性の高いポイントサービス
  4. 4,アスキーカードの2つのデメリット――ポイント還元率と年会費
  5. 5,アスキーカードがおすすめなのはどんな人? タブレットやパソコンを複数台持っているなら

1,カードの基本スペックと審査基準――タブレット・パソコン保険充実の1枚

三菱UFJニコスが発行する「アスキーカード」は、タブレットやパソコン、周辺機器を対象とした保険が付帯するクレジットカードだ。月額にすると約179円で幅広い補償範囲の保険が付帯する形となるこのカードについて、まずはその基本スペックから見ていこう。

アスキーカードの基本スペック……年会費、ポイントサービス、付帯保険

国際ブランド VISA
年会費 2,145円(税込)※初年度年会費無料
家族会員440円(税込)※初年度年会費無料
ポイントサービス わいわいプレゼント
通常ポイント還元率 0.5%
ポイント交換対象 dポイント
JALマイル
Amazonギフト券
空港ラウンジサービス
付帯保険 海外旅行傷害保険(利用付帯)
ショッピングパートナー保険
追加カード 家族カード
ETCカード
電子マネー 【Apple Pay経由】
QUICPay
(※三菱UFJニコスのホームページを元に筆者作成)

審査基準・審査難易度……年収100万円以上が目安

申し込み資格が「18歳以上で安定した収入のある方、または18歳以上で学生の方」とあることから、バイトやパートでは審査に通りにくいことがうかがえる。

審査の年収水準は、口コミ情報から年収100万円以上で審査に通過する可能性があると考えていいだろう。

年会費を下げる方法……年会費を700円近く安くできる

「楽Pay年会費優遇」として、自動リボ払いサービス「楽Pay」に登録の上、1年間の優遇判定期間の間にリボ手数料が発生すると次回のカード年会費が安くなる仕組みがある。

これにより、「アスキーカード」では2,145円(税込)の年会費を1,457円(税込)まで安くすることが可能だ。

2,アスキーカードの3つのメリット――タブレット・パソコン保険、NICOSのサービス、その他の付帯保険

「アスキーカード」の主なメリットを次の3つにまとめて紹介しよう。

メリット1,タブレット・パソコン保険が適用 補償範囲の広さが特徴

パソコン(ノートパソコン含む)、タブレット端末、周辺機器(キーボード・マウス・プリンター・ディスプレイ・モデム・外付けハードディスクなど)が、国内における偶然の事故で被害を被った場合に補償金が支払われる。また、「アスキーカード」で対象商品を購入した場合はさらに補償内容が充実する。

この保険の特徴は次の通りだ。

・パソコンやタブレットの他、周辺機器や自作パソコンも補償対象

自作パソコンやパーツ(CPU・マザーボード・グラフィックボード)も補償対象となるので、パソコン自作派にもメリットが大きい。割賦販売の商品も対象内だ。ただし、タブレットは、A7サイズ以下の商品や標準で電話機能が搭載されているものは対象外である。スマートフォンも同様に対象外だ。

・免責金額は1万円

商品購入価格から1万円を引いた金額が補償対象となる。

・購入から何年たっても補償対象となる

商品購入から年数を重ねると商品の残存価値は下がっていくが、購入から何年たっても補償対象から外れることはない。残存価値は次の通りだ。

購入後年数 残存価値
1年未満 100%
2年目 90%
3年目 80%
5年超 50%
(※アスキーカードのホームページを元に筆者作成)

・1事故当たりの補償上限は10万円

1事故当たりの補償上限は10万円。年間の支払限度はなく何度でも補償を受けられる。

・「アスキーカード」以外の購入にも適用

「アスキーカード」以外で購入した商品にも保険が適用されるが、その場合、補償金額は「アスキーカード」で購入した場合の70%に減額される。

・入会1ヵ月後より補償開始

カード入会1ヵ月後から補償が開始される。保険は自動的に適用されるので、商品購入時の手続きなどは不要だ。

参考までに、「アスキーカード」の公式サイトに掲載されている補償例も紹介しておこう。

・購入価格20万円のパソコン(購入後1年未満)一式を盗まれたケース

《「アスキーカード」以外で購入の場合》
(20万円×残存価値100%-免責1万円)×補てん率70%=13万3,000円
→支払額10万円(保険支払額上限)

《「アスキーカード」で購入の場合》
(20万円×残存価値100%-免責1万円)×補てん率100%=19万円
→支払額10万円(保険支払額上限)

・購入価格10万円(購入後2年経過)のiPadを落とし修理金額が3万円となるケース

このケースでは修理金額が残存価値(10万円×90%)よりも安いため、修理金額3万円が補償対象額となる

《「アスキーカード」以外で購入の場合》
(3万円-免責1万円)×補てん率70%=1万4,000円
→支払額1万4,000円

《「アスキーカード」で購入の場合》
(3万円-免責1万円)×補てん率100%=2万円
→支払額2万円

家電量販店や家電メーカーで提供される類似の保険と比較しても、補償内容の割に年間の保険コスト(カード年会費)が安く済むことから、非常にリーズナブルな保険といっていいだろう。

メリット2,NICOSの優待特典・サービスを利用できる 旅行・レジャーがよりお得に

「アスキーカード」会員は、NICOSブランド共通の優待特典やサービスを利用できる。主なものを次にまとめて紹介しよう。

サービス・優待名 サービス・優待内容
ツアーデスク 国内外のパッケージ
ツアーが最大5%オフに
海外アシスタンスサービス 世界各地のサービス窓口「ハローデスク」で
レストラン・現地観光ツアーの予約などに対応
国内レンタカー優待 トヨタレンタカー、ニッポンレンタカー、日産レンタカー、
オリックスレンタカーで5%オフ。MMCレンタカー
(沖縄はOTSレンタカー)で25%オフに
海外レンタカー優待 ハーツレンタカー、エイビスレンタカー、バジェットレンタカー、
アラモレンタカー、ダラーレンタカーを
優待価格で利用できる
海外おみやげ
宅配サービス優待
海外旅行出発前に注文したお土産を
帰国後に宅配で送ってくれるサービスで全商品10%オフに
スーツケース
レンタルサービス
スーツケースレンタルが優待価格&往復送料無料に。
さらに、変換プラグ・変圧器・スーツケースベルト
3点を無料でレンタル可能
海外Wi-Fiルーター
レンタルサービス優待
海外用Wi-Fiルーターのレンタルが20%オフ&
通常500円の受渡手数料が無料に
チケットサービス エンターテインメント分野で
優待割引公演や特典付き公演が提供
ゴルフデスク 全国約1,000ヵ所のゴルフ場を
対象に手数料無料で予約代行
ファイナンシャルプランナー
無料保険相談サービス
ファイナンシャルプランナー、
ライフコンサルタントが無料で相談に応じる
(※三菱UFJニコスのホームページを元に筆者作成)

主に旅行関連の優待特典やサービスが充実しており、一般カードとしては必要十分以上の内容だろう。他社クレジットカードではゴルフ場予約代行が有料のものがあることを考えると、ゴルフ好きにもおすすめのカードといえる。

メリット3,海外旅行傷害保険とショッピング保険が付帯 旅行と買い物に安心をプラス

「アスキーカード」には、他に海外旅行傷害保険とショッピング保険が付帯する。その詳細を次に紹介しよう。

・海外旅行傷害保険……最高2,000万円

旅行代金をカード払いすると最高2,000万円の海外旅行傷害保険が適用される。補償内容は本会員、家族会員とも同内容となる。

海外旅行傷害保険(利用付帯)

補償項目 保険金額
傷害死亡・後遺障害 最高2,000万円
傷害・疾病治療費用 100万円限度
賠償責任 2,000万円限度
携行品損害 1旅行につき20万円
※自己負担額1事故3,000円、
年間100万円限度
救援者費用 100万円限度
(※三菱UFJニコスのホームページを元に筆者作成)

・ショッピングパートナー保険(ショッピング保険)……年間100万円限度

カードで購入した商品が購入日から90日以内に破損・盗難などで損害を被った場合に、年間100万円を限度に補償される(自己負担額:1事故につき3,000円)。

年会費2,000円ほどのクレジットカードとしては平均的な保険内容だが、これにタブレット・パソコン保険も加わることを考えると、トータルとして付帯保険が充実したカードといっていいだろう。

3,ポイントサービス、還元率――利便性の高いポイントサービス

ポイントサービスも紹介しておこう。ポイントサービスの概要は以下の通りだ。

貯まるポイントと還元率……最大0.5%還元

貯まるポイントは「わいわいプレゼント」で、月間クレジット支払合計1,000円ごとに1ポイント(最大約5円相当)が貯まる。ポイント還元率は最大0.5%ほどと考えていいだろう。なお、ポイントの有効期限は最大で約2年となる。

貯まるポイント わいわいプレゼント
ポイントの貯まり方 1,000円ごとに1ポイント
通常還元率 最大0.5%
有効期限 最大約2年
(※三菱UFJニコスのホームページを元に筆者作成)

ポイントの交換対象……多彩な交換対象

ポイントは賞品に交換できる他、各社ギフト券、ポイント、マイルなどに交換可能。また、カード利用額の請求額から差し引く形でのキャッシュバックも可能だ。交換対象によるが、おおよそ1ポイント→0.3円~0.5円相当のレートとなる。ポイント交換対象と必要ポイント数を次にまとめよう。

交換対象 必要ポイント 交換対象単位
Pontaポイント 200ポイント 800ポイント
Tポイント
dポイント
nanacoポイント 200ポイント 600ポイント
WAONポイント
楽天ポイント
JALマイル 400マイル
Amazonギフト券 1,000ポイント 4,000円分
図書カードNEXT
マックカード商品券
スターバックスカード 650ポイント 2,000円分
QUOカード 850ポイント 3,000円分
三菱UFJニコス
ギフトカード
5,050ポイント 2万5,000円分
キャッシュバック 500ポイント 2,000円
(※三菱UFJニコスのホームページを元に筆者作成)

ポイントの交換対象は、主要な共通ポイントや使い勝手のよいギフト券などがひと通り押さえられており、利便性は高いといっていいだろう。キャッシュバックもできるので、使い道に困ることはなさそうだ。

ポイントアップの方法……年間利用額に応じたポイントアップも

「アスキーカード」では、2つのポイントアップ方法を利用できる。

・方法1,「わいわいup」によるポイントアップ

当年度(毎年2月~翌年1月請求分)のショッピング利用金額に応じて、翌年度のポイント付与率が優遇される「わいわいup」の仕組みがある。ポイントアップ条件は次の通りだ。これによりポイント還元率は最大で約0.6%となる。

当年度の利用金額 翌年度のポイント加算
100万円以上 基本ポイントの20%
50万円以上
100万円未満
基本ポイントの10%
(※三菱UFJニコスのホームページを元に筆者作成)

・方法2, 「POINT名人.com」経由のネットショッピング

ネットショッピングの際はポイントサイト「POINT名人.com」を経由することで、最大25倍のポイントが貯まる。「POINT名人.com」ではAmazon、楽天市場、Yahoo!ショッピングなど約500店舗を利用できるので、ネットショッピングで容易にポイントアップを図れる。

「わいわいup」のポイントアップはそこまで大きなものではないので、ネットショッピングがそこまで多くない場合はポイントを稼げるカードとはならない。ポイント還元率を重視する人は、他の高還元率とされるカードとの併用が必要となるだろう。

4,アスキーカードの2つのデメリット――ポイント還元率と年会費

「アスキーカード」のデメリットとして次の2つを挙げておこう。

デメリット1,ポイント還元率が高くない

ポイント還元率が最大約0.5%とあまり高くない点はデメリットといっていいだろう。そこで、ポイント還元率を意識するなら、主にパソコンやタブレットなどの購入時にこのカードを使い、それ以外はポイント還元率の高い別のカードを利用するといった工夫が必要となる。

デメリット2,年会費がやや高い

このカードは、一般カードとしては年会費が比較的高額だ。ただし、メーカーや家電量販店の延長保証などにその都度加入することに比べると、多くのケースでメリットが上回ると考えられる。

5,アスキーカードがおすすめなのはどんな人? タブレットやパソコンを複数台持っているなら

「アスキーカード」のタブレット・パソコン保険に類似した保険を備えるクレジットカードとして「アメリカン・エキスプレス・プラチナ・カード」がある。これにはパソコン類だけでなく家電一般や時計、カメラなども含め広範囲に補償する保険が付帯するが、年会費は14万3,000円(税込)と非常に高額だ。

これを考えると、補償範囲はより狭まるとはいえ「アスキーカード」のタブレット・パソコン保険が非常にリーズナブルであることがよく分かる。特にタブレットやパソコンを複数台持っている人にとっておすすめの1枚となることは間違いない。

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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