SNSには日々、さまざまな飲食店で受けた素晴らしい接客についての情報が書き込まれる。そんな、いわゆる「神対応」と言われるエピソードの中には、「これはすごい!」と思わず感心するものや、「当たり前だが、やはり大切なこと」と改めて気づかされるものも。ピックアップした逸話を紹介していこう。
食物アレルギーをもつ方への徹底した配慮
卵アレルギーをもつ娘とそのお母さんが、定食屋に行ったときのエピソードだ。
「お店の入り口に『アレルギー表あります』の表示があったため、着席し、「アレルギー表をください」と言いました。アレルギー表を手に戻ってきた店員さんは、立ち去らずに、すぐに「何アレルギーですか?」と聞いてくれました。「卵アレルギーです」と答えると、「ドレッシングに卵が含まれますので、使用しないように今から厨房に伝えます」と言ってくれました。
注文時は「卵アレルギーの方のお食事はどちらになりますか?」と聞いてくれ、一緒に確認。出来上がりのご飯を持ってきてくださった時には、「小鉢の中にも卵を含むものがございましたので、変更させていただきました」と教えてくれました。長女は驚いた表情で「この店すごいね」と言いました。こちらが心配に思うことをすべて把握してくれていて、私もアレルギーへの対応が完璧だと思いました」(Twitterより)
さまざまな食物アレルギーについての知識をもっておくことは、飲食店のスタッフにとってはとても大切なことだ。そのうえで重要なのは、こうした積極的な声掛けや、万が一のことを考えたプラスαのケア。アレルギーをもつお客様の不安を払しょくし、楽しい時間を過ごしていただくためには、必要不可欠な対応だろう。
お客様自身のミスを、さりげなく全力で救う
次は、寿司店でのエピソード。
「お寿司を食べていたら、白い服に醤油が飛んでしまい、困っていました。何も言っていないのに、店員さんが「醤油、ついちゃいましたか?炭酸水かけておしぼりで叩くと醤油が浮き上がって綺麗になるのでよかったらどうぞ」と言って、炭酸水を持ってきてくれました。本当に、醤油の跡は綺麗に消えました!助かりました。これぞ神対応!」(Twitterより)
その場で、しかも洗剤を使わずにシミ抜きができるなんて、お客様にとって嬉しい体験だったに違いない。ちなみに炭酸水は、赤ワインやコーヒーなどのシミ抜きにも使えるようなので押さえておこう。
従業員をケアする姿勢に心温まる
イギリス・マンチェスターにあるステーキレストランで、従業員の1人がオーダーとは違うワインをお客様に提供してしまった。そのお客さまが注文したのは1本3万円前後のワインだったが、なんと1本60万円以上するワインを誤って出してしまったのだとか。店としては大きな損害だが、その店は次のような言葉をTwitterに投稿した。
「昨夜、手違いで62万円相当のワインをお召し上がりになったお客様、お楽しみいただけたでしょうか? 誤ってそのワインを提供してしまったスタッフの君、元気を出して! ミスは誰にでもあるし、君は変わらず私たちの大切な仲間だ!」(Twitterより)
さらに、2本のワインがいかに似ているかを写真で公開し、「ほら、本当によく似ているでしょう?」と添えた。その後、「ミスをしたスタッフを励ますとはすばらしい店だ」と、リツイート件数は1万件を超え、複数の海外メディアでも取り上げられたそう。「この店に行ってみたい!」と思った方も多かったはずだ。
そのほか、思わず「ほっこり」な神対応5選
続いて、思わず「ほっこり」するエピソードを5つ連続でご紹介!
**「クリスマスイブ、まさかの当日ドタキャン…。涙を堪えて予約していたレストランに電話したら理由を聞かれ、正直に答えると『つらかったですね。実は数年前僕も……』と、キャンセル料なしにしてくれた」
「店員さんに『お飲み物、何にしますか?』って聞かれたのに対して、酔っ払っていた私は『とり雑炊』と答えてしまった。運ばれてきた雑炊にはストローが付いていた! 忙しいのに、このユーモア!大好き!」
「入り口で『5名…あ、もうすぐ6名様ですね』と言われた。誰かお手洗い行っている?でも、おかしいなと思っていたら……お腹の子に気付いてくれていて、背もたれ用クッションを持ってきてくれた。世の中に、こんな神対応な人いるのかと思って震えた」
「年齢確認のために見せた免許書の生年月日をみて『明日、誕生日なんですね!おめでとうございます!』と言ってくれた。その日、ちょっとしたデザートをプレゼントしてくれた!」
「2人でご飯を食べに行った時、焼き鳥の盛り合わせなど奇数のものを「増やしますか?」と聞いてくれ、対応してくれました。お店は忙しいはずなのに、お客さんのことを考えて接客している感じが伝わってきました」(以上、Twitterより)**
お客様の想像を超えるような素晴らしい接客は、感謝から感動に変わる。感動によって獲得したリピーターは、店にとって今後も大きな味方となるだろう。当たり前のようだが、まずはお客様の立場にたち、今何が求められているのか、どうすればより楽しんでいただけるのかを常に考え、実践していくことが大切なのだ。
文・岩﨑美帆/提供元・Foodist Media
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