Coincheck(コインチェック)は2019年1月11日に14番目の暗号資産交換業者として正式に登録を受けた取引所だ。仮想通貨(暗号資産)取引アプリのダウンロード数No1ということからもその人気が見て取れる。コインチェック取引所の特徴とメリット・デメリットからどのような人にCoincheckが向いているか探ってみたい。

1,Coincheck(コインチェック)の特徴・基本情報

まずは、Coincheckの基本事項を紹介する。

<Coincheckの基本情報(2021年4月15日時点)>

取り扱い通貨数※1 取引所:4種類 ※円建て取引のみ
1. ビットコイン(BTC)
2. イーサリアムクラシック(ETC)
3. ファクトム(FCT)
4. モナコイン(MONA)

販売所:16種類 ※円建て、BTC建て取引が可能
1. ビットコイン(BTC)
2. イーサリアム(ETH)
3. イーサリアムクラシック(ETC)
4. リスク(LSK)
5. ファクトム(FCT)
6. リップル(XRP)
7. ネム(XEM)
8. ライトコイン(LTC)
9. ビットコインキャッシュ(BCH)
10. モナコイン(MONA)
11. ステラ・ルーメン(XLM)
12. クアンタム(QTUM)
13. ベーシック アテンション トークン(BAT)
14. アイオーエスティー(IOST)
15. エンジンコイン(ENJ)
16. オーエムジー(OMG)
最低取引量 円建て取引:
500円から売買が可能
BTC建て取引:
0.001BTCから売買が可能
取引方法 現物取引のみ
最大レバレッジ レバレッジ取引の取り扱いなし
※2020年3月13日
レバレッジ取引のサービス終了
取引ツール/スマホアプリ PC版:Exchange
取引アカウントへの
ログイン後利用可能
スマホアプリ:
コインチェックアプリ(無料)
(iOS・Android対応)
カスタマーサポート 問合せ方法 専用フォームから問い合わせ
※回答はメールにて順次対応
※所要日数の目安:1~2週間程度
入金に関する
問い合わせ
専用フォームから
問い合わせ
不正ログイン
対応窓口
緊急電話窓口あり
03-6625-5113
(平日10-17時)
苦情受付窓口 問い合わせフォームまたは
電話での受付
03-6625-5113
(平日10-17時)
(上記一覧表はCoincheckホームページを参照して筆者が作成した)
※1:「販売所」は顧客とCoincheckで取引を行い、「取引所」では顧客同士で取引を行う

2,Coincheck(コインチェック)の手数料は?

仮想通貨(暗号資産)取引を行う上で、利益を残すために手数料のチェックは欠かせない。Coincheckの取引所・販売所での各種手数料は以下のとおりとなっている。

<Coincheckの各種手数料一覧(2021年4月15日時点)>

取引所手数料 Maker手数料 0.000%
Taker手数料 0.000%
販売所手数料 無料
(ただし、販売所価格は取引所価格の
0.1~5.0%程度の手数料相当額が含まれる)
銀行振込入金
(日本円)
無料
(振込手数料は本人負担)
コンビニ入金
※手数料が引かれた
金額が口座に反映される
3万円未満 770円
3万円以上
30万円以下
1,018円
クイック入金
※手数料が引かれた
金額が口座に反される
3万円未満 770円
3万円以上
50万円以下
1,018円
50万円以上 入金金額×0.11% + 495 円
例)100万円の場合
100万円×0.11%+495円=1,595円
出金手数料
(日本円)
407円
借入手数料 2020年3月13日に信用取引サービス・
レバレッジ取引サービス終了に
伴い取り扱い終了
仮想通貨/
入金手数料
全通貨共通 無料
仮想通貨/
送金手数料※1
BTC ネットワーク手数料区分 送金手数料
0.001 BTC未満
0.001 BTC~0.002 BTC未満
0.002 BTC~0.004 BTC未満
0.004 BTC~0.008 BTC未満
0.008 BTC以上
0.001 BTC
0.002 BTC
0.004 BTC
0.008 BTC
0.016 BTC
ETH ネットワーク手数料区分 送金手数料
0.01 ETH未満
0.01 ETH~0.02 ETH未満
0.02 ETH~0.04 ETH未満
0.03 ETH~0.08 ETH未満
0.08 ETH以上
0.01 ETH
0.02 ETH
0.04 ETH
0.08 ETH
0.16 ETH
ETC 0.01 ETC
LSK 0.1 LSK
FCT 0.1 FCT
XRP 0.15 XRP
XEM 0.5 XEM
LTC 0.001 LTC
BCH 0.001 BCH
MONA 0.001 MONA
XLM 0.01 XLM
QTUM 0.01 QTUM
BAT※2 21.0 BAT
IOST 1.0 IOST
ENJ※3 14.0 ENJ
OMG※4 2.2 OMG
(上記一覧表はCoincheckホームページを参照して筆者が作成した)
※1:BTC、ETH、BAT、ENJ、OMGはネットワーク手数料の変動によって手数料が変わる変動手数料制を採用
※2:ETH手数料区分が適用されBAT/ETHレートを使用してBATにて支払う。小数点以下のBATは切り捨てで計算
※3:ETH手数料区分が適用されENJ/ETHレートを使用してENJにて支払う。小数点以下のENJは切り捨てで計算
※4:ETH手数料区分が適用されOMG/ETHレートを使用してOMGにて支払う。小数点以下のOMGは切り捨てで計算

3,Coincheck(コインチェック)の5つのメリット

Coioncheckは仮想通貨(暗号資産)取引を始めやすい5つのメリットがある。一般的な取引所と比較しながら見ていこう。

メリット1,取り扱い通貨が豊富

2021年4月15日現在、Coincheckで売買可能な通貨は全16種類(販売所の場合。取引所は4種類)と国内取引所の中で最も多く、他の取引所では扱っていない通貨の取引も可能だ。

国内で正式登録された取引所が新たに仮想通貨を上場させる場合は業界の自主規制団体であるJVCEA(一般社団法人日本暗号資産取引業協会)の審査を通過する必要があるため、取引所に上場している通貨なら安心して売買ができると言える。

各通貨は日本円で買えるほか、ビットコインでの購入も可能となっている。取り扱い通貨が多ければ複数の通貨への分散投資も可能になるメリットがある。

メリット2,スマホアプリが使いやすい

初心者にとって取引ツールの使いやすさは重要なポイントだ。専用アプリを用意している取引所は多いが、中上級者向けでチャート画面が見にくかったり、取引完了までのステップ数が多いと操作自体にストレスを感じることもあるだろう。仕事やプライベートの合間を使って取引をしたいと考えるビジネスパーソンにとっては尚更かもしれない。

その点、Coincheckのスマホアプリはチャートが視覚的にわかりやすくなっていて初心者にやさしい画面設計となっていることや、取引完了までのステップが「通貨の選択」→「購入(売却)を選択」→「数量を指定」→「購入(売却)の実行」と4ステップのみで完結する。

メリット3,貸仮想通貨(暗号資産)の金利が高い

取引所の中には、仮想通貨(暗号資産)を貸して増やすサービス(レンディングサービス)が存在する。貸出利率は取引所が自由に設定でき、貸出期間が長いほど利率は高くなる傾向にある。利率の目安は1%~3%程度としているところが多いが、Coincheckの「貸仮想通貨サービス」では、全ての取り扱い通貨を対象に、最短14日間で年率1%(実質利率0.038%)から最長365日間で年率5%となっている。

貸出量は最低1万円相当となっているため、少額投資家にも嬉しいサービスだ。このサービスを利用するなら長期的に上昇が見込める通貨を購入して貸し出すことでキャピタルゲインとインカムゲインの両方が期待できるためメリットが大きい。ただし、貸仮想通貨サービスは顧客資産の分別管理の対象外とされているため、取引所の破綻リスクがあることには注意したい。

メリット4,仮想通貨(暗号資産)がもらえるユニークなサービスがある

Coincheckには「Coincheckでんき」や「Coioncheckガス」という一風変わったサービスが存在する。

「Coioncheckでんき」は電気料金の最大7%分のビットコインがもらえたり、電気料金をビットコインで支払うと割引が受けられるサービスだ。割引率は契約アンペア数によって1%~7%と幅があり、契約アンペア数が高いほど割引率は高くなる。

「Coincheckガス」も同様のサービスだが、対応エリアが東京都・神奈川県・千葉県(四街道12Aエリアを除く)・埼玉県、茨城県・栃木県・群馬県(邑楽郡[千代田町・邑楽町・明和町]に限る)で、東京ガス(都市ガス)の利用が条件となっている。割引率は一律3%となっている。

このサービスを利用すれば、毎月支払う電気代やガス代で仮想通貨(暗号資産)が手に入るため、リスクを抑えながら仮想通貨(暗号資産)取引を始めることができる。興味はあるが踏み出せずにいる人にとっては低リスクで始められる良いきっかけになるだろう。

メリット5,月々1万円からの積み立て投資が可能

初心者にとって価格変動が大きい仮想通貨(暗号資産)の売買タイミングで悩む人もいるかもしれない。そんな時は「積み立て投資」を検討してみたい。

積み立て投資とは毎回一定額の資金で投資する方法で、価格が高い時は少なく購入し価格が安い時は多く購入することになるため、平均購入単価を低く抑える効果が期待できる。これをドルコスト平均法という。

Coincheckでは通貨ごとに最低1万円から1,000円単位で毎月積み立て購入が可能だ。積み立て頻度は「月イチつみたてプラン」と「毎日つみたてプラン」の2つから選ぶことができる。タイミングを気にせず中長期で投資をしたい人にとっては使い勝手の良いサービスと言えるだろう。

4,Coincheck(コインチェック)の2つのデメリット

Coincheckのデメリットを2つ紹介する。投資スタイルの決定や取引所選びに役立ててほしい。

デメリット1,割高な手数料

Coincheckの販売所価格は取引所価格に手数料相当額が0.1%~5.0%ほど上乗せされた価格となっているため、手数料相当額以上の価格変動が起こらないと投資家としては利益を得られない。

さらに仮想通貨(暗号資産)の送金手数料は通貨ごとに異なるが、ビットコインの場合は0.01BTC(BTC価格が600万円なら手数料は6,000円)と決して安い金額とは言えない。つまり、販売所で購入した仮想通貨(暗号資産)を外部へ送付すると手数料が高くつくことになる。

利用するなら購入後に長期保有を前提とする投資スタンスをとるか、送付手数料額が安いアルトコインへ(ビットコイン以外の仮想通貨)の投資も検討するなど工夫してみよう。

デメリット2,スマホアプリは販売所取引のみ

2つ目のメリットとして、スマホアプリの使いやすさを挙げた。しかし、スマホアプリで売買可能な仮想通貨(暗号資産)は全て販売所での売買となるため、取引所取引よりも割高な価格での売買となることには注意が必要だ。もし取引所で取引をしたいなら、PC版の取引ツールでの取引となる。

5,Coincheck(コインチェック)はどんな人におすすめか?

これまでのメリット・デメリットを踏まえCoincheckの利用に向いた投資スタイルはどのようなものだろうか。

極力リスクを抑えて取引を始めたい人

リスクを極力回避しながら仮想通貨(暗号資産)取引を始めたい人は「Coincheckでんき」や「Coincheckガス」のような仮想通貨(暗号資産)がもらえるサービスを利用して仮想通貨(暗号資産)を受け取り、さらに貸仮想通貨サービスで殖やす方法が考えられる。ポイントは長期投資目線で考えられるかどうかだ。

メジャー通貨以外にも取引をしたい人

Coincheckでは他の取引所では扱っていない通貨の取引が可能だ。最初はビットコインで取引を開始し慣れてきたら色々なアルトコインへ分散投資をしたい人に向いた取引所と言えるだろう。

ただし、複数の通貨へ分散投資をする場合でも、取引手数料や送金手数料には注意しながら短期売買ではなく、長期投資が向いていると言えるだろう。逆に、短期売買を繰り返し少額の送金を繰り返す人にはミスマッチな取引所かもしれない。取引所の特徴を知り、投資スタイルの選択に役立ててほしい。

文・MONEY TIMES 編集部

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