期待できるEV4WDならではの走り

一方、トヨタは、中国向けに電気自動車のSUVとしてレクサス「UX300e」を発売(日本市場では135台の限定販売)していますが、これはもちろん既存のTNGA-Cプラットフォームを採用したモデルです。

また「EV C.A.スピリット」で開発の最初から参画していたマツダが2021年1月に発売した初のEVである「MX-30EV」も、EV専用プラットフォームではなく既存のCセグメント用FFプラットフォームを採用し、このEVだけでなく発電専用ロータリーエンジンを搭載したEV派生モデルを展開する計画で、EV専用プラットフォームの採用はその次の世代となります。

トヨタ、スバルの共同開発EVがいよいよデビュー
(画像=トヨタ仕様のEV SUVのデザイン・コンセプト、『AUTO PROVE』より引用)

したがって、トヨタ/スバルから登場する新型EVは、ホンダeに続くEV専用プラットフォームという点で画期的であり注目点となります。当然ながらフロア面がバッテリーの搭載スペースとなり、既存プラットフォームよりさらに低重心化され、前後アクスルのモーター/駆動ユニットもエンジン搭載用プラットフォームに比べ遥かにコンパクトにでき、その結果室内の居住スペースをより拡大することが可能になります。

トヨタ、スバルの共同開発EVがいよいよデビュー
(画像=スバル仕様のEV SUVのデザイン・コンセプト、『AUTO PROVE』より引用)

そして前後のモーターによる4WDのため、走行状態に合わせて駆動トルクを自在に変化させ、モーター駆動トルクを瞬時に制御することで前後のピッチング抑制や凹凸の乗り越え時の姿勢安定制御も可能となるなど、EVの4WDならではの新しい運動性能を実現することができます。

ただ、トヨタ、スバルのEVは、アメリカ市場、中国市場をメインマーケットと想定しており、日本での発売はまだ明確になっていないのが実情です。

提供・AUTO PROVE

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