スバルofアメリカは2021年3月16日、3月30日に新型クロスオーバーのワールドプレミアをオンラインで開催すると発表しました。ニューモデルは機能的で堅固なテクノロジーを凝縮させたクルマとしています。一方、トヨタ ヨーロッパは3月15日に、中国・上海で4月19日から開幕する上海モーターショーで、EVの新型SUVをワールドプレミすると発表しています。

トヨタ、スバルの共同開発EVがいよいよデビュー
(画像=トヨタの予告画像、『AUTO PROVE』より引用)

*スバル ワールドプレミア

トヨタ ヨーロッパは、この新型SUVはフレキシブルな「e-TNGA」を採用したミッドサイズのEVとしています。e-TNGAと名付けられたアーキテクチャは、車両の重要な要素は固定し、その他の要素は可変という拡張性の高いEV専用プラットフォーム。この結果、車両の全幅、全長、ホイールベース、全高にバリエーションがあり、多くの派生車種の開発か可能としています。

またe-TNGAは、FF駆動、RR駆動、4WD駆動、バッテリー容量や電気モーターのサイズなど、さまざまな車両タイプに合わせて搭載できます。そしてトヨタは、単にバッテリーを搭載するEVというだけでなく、運転していてワクワクできる、美しいデザインのクルマを生み出すとしています。

共同開発プロジェクト

このスバルとトヨタの電気自動車SUVこそ、2019年6月に正式発表したトヨタ/スバル共同開発のEVのSUVモデルです。

トヨタ、スバルの共同開発EVがいよいよデビュー
(画像=共同開発発表時のEVのSUV 4WD、『AUTO PROVE』より引用)

そして「e-TNGA」こそ、2017年秋にトヨタ、デンソー、マツダが参画して設立され、後にスバル、スズキ、ダイハツ、日野、いすず、ヤマハが加わった合弁会社「EV C.A.スピリット」からの初の産物となります。

「EV C.A.スピリット」は、具体的な車両企画ではなく、フレキシブルなEV専用プラットフォームの基本構想と規格、そして搭載するリチウムイオンバッテリーの規格の統一などを決定し、2020年6月に開発が完了したとして業務を終えています。

このように、「EV C.A.スピリット」では大きな拡張性を持たせたEVプラットフォームの規格作りが主要なテーマでした。

実際のミッドクラスの新型SUVは、トヨタとスバルの2社による共同開発としてスタートしており、これはスポーツカーの86/BRZと同様に、トヨタの商品企画、トヨタ向けデザインを担当し、スバルが実際の設計、開発を担当するシステムになっています。

スバルは、既に2015年時点でアメリカのZEV規制官庁に対し、2021年年内にゼロエミッションのEVを発売することを約束しており、アメリカ市場へのEVの導入は既定路線となっていました。

またスバルが開発を担当するため、前後アクスルにモーターを搭載した電動4WDのSUVモデルとなることは既定路線です。その意味では、日産が2021年夏に発売予定のEV・SUVの「アリア」と真正面から激突するEVとなるわけです。