災害大国と言われている我が国ですが、皆さんはどんな備蓄食を準備していますか? 多くの場合は乾パンやレトルト食品を用意していることだろうと思いますが、ストレスの多い避難生活の中で、ふと、みんなが笑顔になれる瞬間を“食”で得られることができるかもしれない──そんな思いからつくられた、高級備蓄食『東京備食』というものが販売されています。
ネットニュースや新聞で取り上げられているのを何度か目撃していましたが、今回それを食べてみませんか?という誘いをいただいたので、実際に食べてみることにしました。
■3食セットで6,000円(税抜)
味や災害時に必要な栄養、そしてさらにデザイン性にまでこだわった新しい『東京備食』は、日本料理の名店「賛否両論」笠原将弘シェフ監修の絶品料理を缶詰に閉じ込めた贅沢な3食1セットの備蓄食です。
セット内容は缶詰に加え、お湯や水を入れてかき混ぜたらふわふわのご飯になる国産アルファ米、衛生を守る多めのウェットティッシュ、割り箸1本、アイデア備食レシピや保存食のレシピ、備蓄に関しての知識が詰まったオリジナル備蓄ガイドブック「備える本」。
まるで分厚い百科事典のような赤いケースは、本棚に飾れるようなスタイリッシュなデザインになっています。
■災害時のため考え抜かれたメニュー
笠原シェフ監修の絶品備食のメニューは1食4品の全8品。「うなぎのかば焼き御膳」「霧島黒豚角煮たまねぎソース御膳」「ぶり大根含め煮御膳」と名前だけ聞いても超豪華な3食分が含まれています。
災害時に対応した備蓄食ということで冷えた状態でも美味しくいただけますが、缶詰のままお湯に入れて温めるとより美味しくいただけるものもあります。
カロリーは、3食で成人が健康な食生活を送るために必要だとされている2,000kcalに習い2,188kcal。災害時に適したメニューにするために、エネルギー源となる炭水化物やたんぱく質を中心としており、不足しがちな食物繊維や野菜を副菜に添えました。また、ストレス軽減のための効果的な甘味をデザートとしてセット内容に取り入れたそうですよ。
■実際に食べてみた
そもそも調味料のチョイスやだしの旨味が1つ100円の缶詰とは訳が違いました……! 美味しいっ……!
日本料理は薄味の中にどれだけ旨味を演出するかが鍵となりますが、濃い味の缶詰を食べ慣れていた人が食べたら、その上品で贅沢な味や風味にちょっとびっくりするかもしれません。薄味なのに薄くない。味がしっかりとしていて、口の中にじんわりと広がる美味しさがあるのです。
中でも美味しかったのは「ぶり大根含め煮御膳」。味が染み込んだ「ぶり大根の含め煮」に、優しい味のする「かぼちゃの田舎煮」、ビシソワーズのような「ごぼうとじゃがいもすり流し」、そしてデザートは子供の頃、風邪を引いた日に食べさせてもらった桃を思い出すような「黄桃のシロップジュレ」。災害時に食べたら、その優しさ溢れる献立に思わず童心に返って涙してしまいそうです。
(大路実歩子 / 画像・編集部撮影)
文・おた経編集部/提供元・おたくま経済新聞
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