日本政府観光局(JNTO)が発表する出国日本人数によると、日本を出国する人は毎年1,600万人を超え、2018年は1,895万人を記録しています。仕事、レジャー、リタイアメントと目的はさまざまですが、その中で留学目的で海外へ渡航する人たちも増えています。独立行政法人日本学生支援機構のデータ*によると、平成29年度(2018年度)の日本人留学生は10.5万人にまで上っています。
 

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(出所:独立行政法人日本学生支援機構(JASSO)/YANUSY)

*平成29年度協定等に基づく日本人学生留学状況及び協定等に基づかない日本人学生留学状況(在籍大学等把握分)の合計

世界のトップ大学ランキング2019

ランキング機関、大学、その他国際的な大学ランキング・学問のレベルに関連する団体から構成されるIREG Observatoryが認定する唯一の国際大学ランキングQSトップ大学ランキングを見ていきましょう。
 

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(出所:QS TOPUNIVERSITIESを元に作成)/YANUSY)

アメリカ、イギリスの有名大学が並ぶ中、注目されるのはシンガポールの大学の活躍です。また、日本からは東京大学がランクインしています。

これらの有名大学に限らず、アメリカ、イギリス、そして同じく英語圏のオーストラリアが日本からの留学先として人気があるのは想像できますが、日本からは飛行機で少なくとも9時間半かかります。近場の東南アジアにも人気の留学先がいくつかありますのでご紹介していきます。

東南アジアで人気の留学先

(1) マレーシア

東南アジアの国、マレーシアは多様な文化に触れるには絶好の場所です。マレーシアはQS トップ大学・世界の高等教育システムの強さランキングで25位にランクインし、教育ハブとしての地位を高めつつあります。イギリスのノッティンガム大学など、世界的に有名な大学の海外キャンパスの誘致などを積極的に行っています。多くの場合、海外キャンパスの方が、メインキャンパスで支払う授業料よりも安くすむ場合が多いです。海外の学生にとって、マレーシアの活気あふれる都市、美しい自然だけでなく、学費や生活費が抑えられるのも魅力です。実際、首都クアラルンプールは、QSベスト学生都市のランキングにおいて、最もアフォーダブルな(手ごろな価格の)学生都市第2位に輝いています。

<参考>ノッティンガム大学年間授業料比較(海外生用)

専攻コース イギリス マレーシア
心理 £22,620
(約317万円)※
RM46,000
(約120万円)※
ファイナンス、会計、マネジメント £17,550
(約246万円)※
RM45,500
(約118万円)

※本記事執筆時の為替レート 1£=140円、1RM=26円で換算

マレーシアは、2019年のアジアのトップ大学100にマレーシアの6大学がランクイン、うちUniversiti Malaya(マラヤ大学)がマレーシア最高の19位タイとなっています。

(2) シンガポール

マレー半島の先端に位置する小さな都市国家シンガポールは、シンガポール国立大学(National University of Singapore)がアジアのトップ大学で1位、南洋理工大学(Nangyang Technological University)が中国の清華大学と並んで3位にランクインするなど、高等教育の中心地としてその名を馳せています。CNNトラベルによると世界最高水準の物価レベルを誇るシンガポールですが、研究・イノベーションにおける世界のリーダーとして、財政的にも安定し、犯罪率・失業率も低く、企業からの評判が高いです。つまり、シンガポールの学生を雇用しようという雇用者数も多いということです。文化、言語、宗教のるつぼであるシンガポールは、中華系、マレー系、インド系の国民がそれぞれ国のアイデンティティーにユニークさを加えています。能力主義、多文化主義、教育宗教分離主義を掲げ、シンガポールの高等教育システムは、QSトップ大学・世界の高等教育システム強さランキングで28位となっています。

(3) フィリピン

7,000もの島を抱える島国フィリピン。日本で有名なのはリゾート地としてのセブ島ですが、英語が公用語となっていることから、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)、ナレッジ・プロセス・アウトソーシング(KPO)といった英語人材を活用したビジネスも盛んです。アジアのトップ大学200には、3大学がランクイン、フィリピン大学(University of the Philippines)が最高の72位となっています。

実はフィリピン、日本からの留学先としてじわじわと人気がでてきています。民間の留学事業者等 66社で構成される一般社団法人海外留学協議会(JAOS)のレポートでは、フィリピンへの留学生が2016年調査時では3,918人、2017年調査時では6,238人、2018年調査時では6,755人と、2年間で2,837人増加。イギリスやニュージーランドを抜いて、4番目に留学生の多い国となっています。その多くは語学留学目的です。同協議会は、日本の中でのフィリピン留学の認知度が高まり、社会人だけでなく大学生や高校生もフィリピンを留学先に選ぶようになったことや、企業、大学、高校が研修先にフィリピンの学校を利用するようになったことが理由だと考えられるとしています。安価な生活費も魅力です。子どもにグローバル人材としての経験をさせたい親世代が増えたことから、親子留学先としての人気もますます高まりそうです。
 

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(出所:各国における留学目的比率『一般社団法人海外留学協議会(JAOS)による日本人留学生調査2018』/YANUSY)

生活費の安さも魅力

世界中の都市や国々の生活情報を記録する世界最大のデータベース「Numbeo」より、生活費インデックス(2019年半期)によると、今回ご紹介した東南アジアの留学先でも特にマレーシアやフィリピンの生活費が日本と比べてかなり低い水準になっているのがご覧いただけます。

生活費インデックス(Cost of Living Index)(2019年半期)

順位 国名、都市名 生活費インデックス
1 スイス、バーゼル 128.87
2 スイス、チューリッヒ 128.30
3 スイス、ローザンヌ 123.98
13 日本、東京 90.60
31 シンガポール、シンガポール 80.23
176 タイ、バンコク 56.76
204 タイ、パタヤ 49.24
207 タイ、プーケット 48.55
212 カンボジア、プノンペン 47.26
216 タイ、チェンマイ 46.81
236 マレーシア、クアラルンプール 43.00
248 マレーシア、ペナン 41.56
258 フィリピン、マニラ 40.17
268 ベトナム、ハノイ 38.80
276 ベトナム、ホーチミンシティ 37.94
279 フィリピン、セブ 37.65

(Numbeo.com Cost of Living Indexを元に作成)

提供元・YANUSY

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