弊社が運営するリサーチサービス「飲食店リサーチ」が、今年10月1日よりスタートした消費税増税・軽減税率制度による飲食店への影響について、アンケート調査を実施した。客足や店側の対応にどのような影響が出ているのか。回答者の声もあわせて紹介する。
【この記事にも注目】消費税増税から1か月、飲食店に聞くリアルな声。客足が減少した店舗も
■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:384名
調査期間:2019年10月15日~10月25日
調査方法:インターネット調査
※詳しい調査結果はこちら
■回答者属性について
回答者のうち東京にある飲食店の割合は52.3%(首都圏の飲食店の割合は70.8%)。また、69%が1店舗のみを運営している。
飲食店の49%が客足減
まずは消費税増税・軽減税率制度実施後の経営への影響について聞いた。最も多かった回答は「客数が減った」で49%。増税前から外食業界全体で客足が落ちることが懸念されていたが、その通りの結果となった。
回答者からはこんな声があがっている。
「増税以降、如実に客数が減った。たった2%のアップでも“外食は高いから控えよう”というムーブメントが起きているようで、私たちのような個人店には大打撃である」(愛知県/イタリア料理)
売上管理など経理業務が煩雑化
増税後の影響について次に回答が多かったのが、「売上管理など経理業務が煩雑化した」で37%。レジ設備やメニュー表記などについて、まだ対応しきれていない飲食店もあるようだ。
こちらも回答者の声をいくつかご紹介する。
「軽減税率への対応が非常に面倒だった。税率は軽減されても労働量は増えてしまっているため、利益としては減っている印象だ。仕入れ面でも食材は8%、アルコール類は10%と2種類あり、人材不足の中で経理の作業量が増えてしまっている」(大阪府/居酒屋・ダイニングバー)
「レジを新しくしたが、店内飲食のお客様が追加でテイクアウトの注文をされた時などは、レジの取り扱いが慣れていないので手間取ってしまう。実際に税率10%のお客様の会計を8%で打ってしまったことがある」(埼玉県/専門料理)
「お客様の中には軽減税率の対象商品の区別や線引きなどが曖昧な方もいる。事業者としては、仕入れと販売に2つの税率が存在しているので計上が大変だ」(神奈川県/イタリア料理)
客足減少への各社の取り組み
以前も紹介したが、外食大手各社では消費増税に伴う客離れを防ぐために様々な取り組みを行なっている。
- 吉野家……期間限定で牛丼10%オフキャンペーン
- マクドナルド……約7割の商品で増税前の税込価格に据え置き
- リンガーハット……一部メニューの値下げ、低価格ランチの投入
幸楽苑……一部メニュー価格の見直し、ランチセットを新設
今回のアンケートでは、約半数の飲食店が「客足が減った」と回答。増税の影響により消費者の「外食離れ」が少なからず進んでいることがわかった。厳しい状況の中でいかに生き残るか、2020年は外食業界にとって勝負の年になりそうだ。
文・上條真由美/提供元・Foodist Media
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