食に関する調査・研究を行っているぐるなび総研が、2019年の日本の世相を反映し象徴する『今年の一皿』に、「タピオカ」を選んだ。『今年の一皿』は、優れた日本の食文化を人々の共通の遺産として記録に残し、保護・継承するために2014年よりスタート。今回で6回目を迎える。

社会現象となっているタピオカが『今年の一皿』に

今年は「スパイスカレー」「タピオカ」「チーズグルメ」「発酵食メニュー」がノミネート。グルメ情報サイト「ぐるなび」の検索数や上昇率、アンケートなどをもとに選考・審査され、タピオカが大賞に選ばれた。選出の理由は以下の4つだ。

■ブームを越えて社会現象に

地域や年代を問わず日本中を席巻。特に若年層からの支持が厚く、SNS上の発信力が支えとなって幅広い層へと広がりをみせた。「タピる」「タピ活」などの造語ができるなど、ブームを越えて社会現象を起こしている。

■多様性に富んだ楽しみ方

専門店に限らず、様々な飲食店で味わうことができるようになり、店の選択肢が拡大。また、色んなドリンクと組み合わせたり、甘さを調整したりと自分好みにカスタマイズができ、消費者の楽しみが広がった。

■環境問題への意識

ブームの裏で飲みかけの放置やゴミのポイ捨てなど、一部のマナー不足が問題となったが、若い世代を中心としたゴミ拾いの自主的な取り組みなど、環境問題への意識を持つきっかけにもなった。

■今後の日本の食文化への期待

タピオカの原料であるキャッサバ芋はグルテンを含まないため、グルテンフリー食材としての活用の広がりに期待できる。また、今後日本の食文化に多様な形で取り入れられていく可能性が秘められている。
 

Foodist Media
準大賞に選ばれた「発酵食メニュー」(画像=Foodist Media)

国内外で注目度の高い「発酵食メニュー」が準大賞

準大賞には、味噌・麹・納豆など、発酵食材・食品を取り入れた料理「発酵食メニュー」が選ばれた。納豆の市場規模が過去最高を記録し、国内に発酵食材を使った飲食店やカフェが増加。近年の健康志向の高まりによって価値が再認識されていることや、海外からも注目されていることが選出理由だという。

また、今回ノミネートした「チーズグルメ」は、日本人のチーズ消費量が過去最高を記録したことが選出理由の一つとなっている。料理ジャンルを選ばず、合わせられる食材も幅広いため、飲食店のメニューとしてさらに広がっていきそうだ。

同じく「スパイスカレー」は、カフェ等で女性客から大きな支持を集めたことが選出理由。飲食店としては調理の自由度が高く、創意工夫やオリジナリティが打ち出しやすいのも魅力のメニューだと言えるだろう。

美味しくて“SNS映え”するとして、一気に人気に火がついたタピオカ。先日発表された『2019 ユーキャン新語・流行語大賞』でも、タピオカ入りドリンクを飲むことを表す「タピる」という言葉がトップ10入りした。来年もタピオカのように爆発的なブームを起こす料理や食材は登場するのだろうか? 2020年のグルメシーンからも目が離せなくなりそうだ。

文・上條真由美/提供元・Foodist Media

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