金融コミュニティであるWSO(WallStrearOasis)が行った「従業員の満足度が高い投資銀行ランキング」で、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、エバーコアがトップ3に輝いた。
1、2位は2017年から変動がなく、エバーコアが2ランクアップで3位の座をJPモルガン・チェースから奪った。ラザード、ドイツ銀行、モルガン・スタンレー、サントラスト・ロビンソン・ハンフリーは順位を上げ、バンク・オブ・アメリカ、バークレイズ・キャピタル、クレディ・スイスは順位を下げた。
ランキングはウォールストリート・オアシスが、2016~2018年度に銀行103行の従業員から収集したデータに基づき作成された。
従業員の満足度が高い銀行トップ20
20位(2017 年順位28位) ソシエテ・ジェネラル 80.4%
19位(18位) マッコーリーグループ 81.4%
18位(16位) モーリス・アンド・カンパニー 82.4%
17位(22位) AGCパートナーズ 83.3%
16位(8位) クレディスイス 84.3%
15位(14位) PJTパートナーズ 85.3%
14位(12位) フーリハン・ローキー 86.3%
13位(21位) パイパー・ジャフレー 87.3%
12位(15位) シティグループ 88.2%
11位(13位)サントラスト・ロビンソン・ハンフリー 89.2%
10位(10位) ジェフリーズ・アンド・カンパニー 90.2%
9位(11位) モルガン・スタンレー 91.2%
8位(6位) バークレイズ・キャピタル 92.2%
7位(9位) ドイツ銀行 93.1%
6位(4位) バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチ 94.1%
5位(7位) ラザード 95.1%
4位(3位) JPモルガン・チェース 96.1%
3位(5位) エバーコア 97.1%
2位(2位) ゴールドマン・サックス 98%
1位(1位) ウェルズ・ファーゴ 99%
11項目でトップのウェルズ・ファーゴ
ランキングは「面接の難易度」「面接の質」「従業員の総体的な満足度」「専門家としての成長の機会」「キャリアアップの機会」「常勤のオファーを受けたインターンの割合」「業績へのフィードバック」「業績への賞賛」「昇進などへの公平性」「報酬」など、全19項目で構成されている。
首位を維持したウェルズ・ファーゴは「従業員の満足度」だけではなく、「専門家としての成長の機会」「業績への賞賛」「公平性」「報酬」「コミュニケーション」「チームワーク」「リーダーシップ」「推薦」「休暇」「ワークライフバランス」と、11項目で各99.0%というトップスコアをだしている。2016年の口座不正開設スキャンダルで社会からの信用度を著しく損なったにも関わらず、従業員からの満足度は飛びぬけて高い。
「キャリアアップの機会」「フィードバック」も各98.0%と極めて優秀だが、「常勤のオファーを受けたインターンの割合」は80.0%でトップ10入りを逃している。
「面接の難易度」ではトップ30入りしておらず、「面接の質」は86.8%であることから判断して、面接自体は一部の銀行のように「返答に困るような質問をされる」といった手のこんだものではないのだろう。99%が「自社への就職・転職を友人などに推薦する」と答えているのも不思議ではない。
銀行によって評価の高い分野はちがう?
項目ごとにトップ3ががらりと変わる点が興味深い。
面接の難易度が最も高いのは、モーリス・アンド・カンパニー、エバーコア、PJパートナーズで、各99.1%、98.2%、97.4%が「これまで受けた面接の中で最も難しかった」と答えている。
「面接の質」では総合ランキングでトップ30入りしていないペレラ・ウェインバーグ・パートナーズが1位に。2位はラザード、3位は総合25位のロスチャイルドが選ばれた。
「専門家としての成長の機会」はウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー。「キャリアアップの機会」はゴールドマン・サックス、ウェルズ・ファーゴ、モルガン・スタンレー。この3社はキャリア面でのサポート体制が飛びぬけて高いことが分かる。
「常勤のオファーを受けたインターンの割合」は、TDセキュリティーズ、スタンダードチャータード銀行、リンカーン・インターナショナルとまったく毛色の違う企業がトップ3だ。TDセキュリティーズ以外は総合トップ30に入っていない。
「業績へのフィードバック」はバークレイズ・キャピタル、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェース。「業績への賞賛」はウェルズ・ファーゴ、ドイツ銀行、バークレイズ・キャピタル。「昇進などへの公平性」はウェルズ・ファーゴ、エバーコア、ゴールドマン・サックスという結果だ。
「報酬」が最もよい投資銀行は?
気になる「報酬」のトップはウェルズ・ファーゴ、バンカメ、エバーコア。
重要事項についてのシニアマネージメントとの「コミュニケーション」がとれているのは、ウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスだ。ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックスはモーリス・アンド・カンパニーとともに、「チームワーク」でもトップ3に選ばれている。
「リーダーシップ」が優れているのはウェルズ・ファーゴ、JPモルガン・チェース、ジェフリーズ・アンド・カンパニー。ジェフリーズ・アンド・カンパニー、ゴールドマン・サックス、エバーコアは、シニアマネージメントの「能力」でも高評価を受けている。
ゴールドマン・サックス、ラザード、モルガン・スタンレーの従業員は、自社に勤めていることへの「誇り」が高く、ウェルズ・ファーゴ、ゴールドマン・サックス、エバーコアの従業員の97%以上が、「自社への就職・転職を周囲に推奨する」と答えている。
「休暇」がとりやすい環境を提供しているのはウェルズ・ファーゴ、サントラスト・ロビンソン・ハンフリー、ゴールドマン・サックス。ウェルズ・ファーゴ、サントラスト・ロビンソン・ハンフリー、バークレイズ・キャピタルは「ワークライフバランス」もとりやすいようだ。
文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)/ZUU online
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