イルカとクジラといえばどちらも海に棲み、哺乳類で大きいのがクジラで、頭がいいのがイルカ!というような何となくのイメージはありますよね。
しかし、イルカとクジラが同じ種類と言われると、何となく違和感を感じませんか?
明確な違いが存在しそうなこの2種類の生物ですが、実は明確な違いはないそうです!
ここではそんなイルカとクジラの違いについてご紹介します。また、シャチなどその他の似ている動物についても解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
イルカ・シャチ・クジラ
イルカとシャチとクジラは、実は同じクジラの仲間です。結論を先に言ってしまうと、いずれも同じ分類の生き物となります。
分類上は全てクジラ目
分類上、イルカとシャチとクジラは海棲哺乳類に分けられます。これらはクジラ目とされており、クジラの仲間という認識が正しいですね。
またさらに、クジラ目の中で複数の種類に分かれてはいますが、分類学上ではイルカ、クジラ、シャチは全てクジラ(クジラ目)ということになります。
2亜目
クジラは主にハクジラ亜目と、ヒゲクジラ亜目の2種類に分けられます。
見分け方としては簡単で、歯があるものはハクジラ亜目、歯がなく口にプランクトンを濾すための櫛のようなヒゲを持つものはヒゲクジラ亜目と、思ってもらえれば大丈夫でしょう。
ハクジラ亜目の中にイルカやシャチ
イルカやシャチは歯を持っているので、クジラの種類の中でも、ハクジラ亜目に属しています。
ハクジラ亜目は文字通り、歯が生えているのが特徴で、イルカやシャチなど比較的小型のものが多いといわれています。
逆にヒゲクジラ亜目はシロナガスクジラやザトウクジラ、コククジラなど比較的大型のものが多いと考えられています。
イルカとクジラの違い
イルカとクジラにはまったく違いはないのでしょうか?
結論を先に言ってしまうと、各科で違いを分けることはある程度可能ですが、そこに厳密な定義はない状態です。
明確な違いはない
イルカとクジラは明確な定義がそもそも曖昧なため、「これはイルカで、これはクジラだ」という判断も実は曖昧だったりします。
ただ、大きさによって区別することが多いですね。
特にハクジラの中でも、体長4m~4.5m以下の小型の個体をイルカと呼び、それよりも大きなものをクジラとして扱うのが一般的となります。
その他、頭の良さや食べる物、生態や特性による違いはあるのですが、明確な定義などはないそうです。
シロイルカ
シロイルカはイッカク科シロイルカ属で、体長が5mを超える大きさとなっており、先ほどの大きさでの分類ではクジラと言われる大きさですね。
しかし、日本名はシロイルカですので、イルカとして認識されていることが多いのですが、クジラといて認識される場合もある種です。
英名では、「Beluga whale」(単にBelugaと呼ばれる場合も多い)「White Whale」と呼ばれ、これを見るとクジラなのかなという印象を受けますよね。しかし、学名は「Delphinapterus leucas」とイルカを彷彿させる名前となっています。
イルカなのかクジラなのか考えるとよくわからなくなってきますよね。厳密に決まりはないので、どちらで認識していても間違いではありませんよ!
ゴンドウクジラ
ゴンドウクジラは、分類学的にはマイルカ科に含まれるクジラと名の付く種では最も小さい種類です。
体長は2m~5mと、先ほど登場したシロイルカよりも小さいのが一般的です。クジラとしては小さい体なので、しばしばゴンドウイルカとして認識されることも多くあります。
また、ゴンドウクジラの中のコビレゴンドウは獲物を求めて1,000m以上も潜水することが可能で、その特徴からまさにクジラといった感じです。
ただ、ゴンドウクジラもシロイルカ同様に、イルカかクジラかで意見が分かれるところです。こちらも正解はないので、どちらで認識していても問題ありません。