高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=小沢コージ●クルマや時計、時に世相まで切る自動車ジャーナリスト兼TBSラジオパーソナリティ。『ベストカー』『MONOMAX』『webCG』『日刊ゲンダイDIGITAL』「カーセンサーEDGE』で自動車連載、『時計BEGIN』で時計人物連載。毎週土曜17時50分~18時TBSラジオ『小沢コージのカーグルメ』、『CAR and DRIVER』より引用)

●イマドキ高級車はデジタル化、バーチャル化がポイント

世界の高級セダンの代名詞、メルセデス・ベンツSクラスが8年ぶりに7thモデルへと進化し、1月に日本上陸した。

北米や中国などでも、いまだにBMW7シリーズ、アウディA8、レクサスLSなどを圧倒するベストセラーであり、歴史は1970年代からともっとも長い。

高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

よって商品戦略でも守りに入りがちだが、今回驚くのは一部でかなりの攻め姿勢を見せていること。ライバルの中では最も積極的にデジタル化に取り組んでいる。

乗ると同時に目に入るのは、新たに装備したメルセデス初の12.8インチの真四角メディアディスプレイだ。

高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

黒色の深みが美しいタッチ式の有機ELパネルである。ここにほとんどの機能が集約されている。

足回りや先進安全などの車両設定はもちろん、空調、ナビゲーション、オーディオなどがわかりやすく操作できる。

高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

個人的に楽しかったのは「コンフォート」とアイコン名が付けられた快適装備だ。かつて同様のものはあったが、さらに進化しており、なかでも「リラクゼーション」と名付けられたシートマッサージ機能が優れものだ。

いままで、こういった手法はレクサスLSが一番だったが、指圧度の強さはいままで以上だし、「ウェーブ」と呼ばれる微振動は他にあまり味わったことがない。渋滞中もこれで楽しめそうだ。

高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

同時に使い勝手がますますパソコン化している。指紋認証でドライバーを特定するのはもちろん、自車両をバーチャル映像化する技術もすごい。

高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

Aクラスから導入したメルセデス自慢の音声認識機能「MBUX」は進化しており、新たにSクラスでは、前後席のどの位置の乗客が発声しているかを聞き分けられるようになった。

つまり後席右で「暑い」といえば、そこだけエアコン設定を変えるような芸当ができるのだ。これはエンタテイメントシステムも同様で、もしや飛行機のビジネスクラスのように使えるのかもしれない。

高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)

そのほかEクラスから導入された、現実映像に案内表示を重ねる「ARナビゲーション」や、立体的な「3Dドライバーディスプレイ」「3Dコックピットディスプレイ」もユニーク。

パワーシートもタッチ操作化した。使って楽しいスマホライクなデジタル化であり、バーチャル化が明らかに進んでいるのだ。

高級車こそデジタル化抜きには語れない。7thメルセデス・ベンツSクラスはどこがすごいのか?
(画像=『CAR and DRIVER』より引用)