将来的には、基地局は常時空に浮かぶものになる?
このような空飛ぶ基地局はKDDIだけでなく他のキャリアでも開発を進められている。ソフトバンクでは傘下のHAPSモバイルが、2020年10月に地上20kmの成層圏を飛行する無人航空機でのLTEの通信に成功。楽天モバイルは宇宙空間に基地局を置き、地上に電波を飛ばすことで災害時にも利用できる衛星通信ネットワークを構築する「スペースモバイル計画」を進めている。ドコモも2月1日に欧州航空機大手・エアバス、フィンランド通信大手・ノキアの2社と空飛ぶ基地局の開発に向けた共同研究を実施する覚書を結んだことを発表した。
中でもソフトバンクの無人航空機は翼に太陽光発電のためのパネルが敷き詰められており、その電気を使って数ヶ月の間飛び続けることができるようだ。常時被災地の上を飛び続けていてくれたとすれば、道路や通信網に被害を受けて助けを呼べなくなってしまった地域の人たちも積極的にSOSを発信していけることだろう。
こうした空飛ぶ基地局が開発され改良が重ねられていったとすれば、未来の世の中では基地局がドローンのように進化し、ビルの屋上等から“空の上”に移っていくことになるかもしれない。もしそうなれば、現在よりも格段に基地局設置の自由度が増して、各社の通信エリアもさらに向上していくことになりそうだ。
しかし世の中には、世界遺産・白川郷にある「合掌造り風基地局」のようなユニークな基地局もあるため、面白い名物基地局が見られなくなるとしたらそれはそれで寂しいものがあるかもしれない。今後の基地局の進化は、そうした面白さと利便性のバランスを取りながら進めていってもらいたい。
参照元:災害に備え「空飛ぶ携帯基地局」続々…ヘリ搭載、上空に数か月滞在の無人機も【読売新聞オンライン】
文・オトナライフ編集部/提供元・オトナライフ
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