(本記事は、浦田 健氏の著書『魚を与えるのではなく、サカナの釣り方を教えよう 起業家の父から愛する子へ33の教え』実業之日本社の中から一部を抜粋・編集しています)
君の周りには、いつもお金がないと言って困っている人と、お金持ちの人では、どっちのほうが多いかな?
全体的な比率からいうと、お金に困っている人のほうが遥かに多いと思うよ。同じ義務教育を受けてきたのに、なんでこういう差がついちゃうんだろうね?
一生懸命勉強して良い大学に入り、良い会社に就職すれば、お金の問題は解決して安定した生活が送れると思っている人は少なくないけど、それだけではお金の問題は解決しない。
なぜなら学校ではお金の稼ぎ方や、お金との付き合い方を教えてくれないからだ。これは頭の良さや学歴はまったく関係ないんだよ。
お金持ちは、なぜますますお金持ちになるのかというと、使っても使ってもお金が減らない生活をしているからなんだ。
お金にいつも困っている人は、コップに水が貯まると、その水をすぐに飲んでしまう。つまり給料が全部生活費で消えていくからお金に余裕がなくなっちゃうんだね。
お金に余裕がなくても、周りの友達と同じ生活レベルを維持したいから、そこそこの家に住み、車を買い、子供を私立の学校に入れる。でも、たいてい家計は火の車だ。もし、働けなくなったら、給料が稼げなくなって生活できなくなるから、どんなに嫌な職場でも毎日我慢して会社に行かなきゃいけない。辛いよね。
でも、お金持ちはコップの中の水はけっして飲まない。
コップからこぼれ落ちた水だけを飲んでいる。
だからお金をいくら使ってもお金が無くならないのさ。
お金持ちはさらに、こぼれた水すらもまた新たなコップに移して満杯になるまでジッと待つ。こうしてどんどん満杯のコップを増やしていくんだ。
そしてまたコップから水が溢れたら、その水を飲むんだよ。
このコップは、僕が持っている毎月家賃を生んでくれるアパートや、複数の会社でやっているビジネスと同じだよ。カフェの運営もそうだね。こうしてたくさんコップを持っていれば、僕が病気になってもお金に困ることはなくなる。
でも、コップの水をすぐに飲んでしまう人は、病気になったり、会社が倒産したりしたらすぐに収入がなくなってしまうから、とても困るよね。だから、毎月の給料だけでなく、複数の収入源を持っておかないといけない。
そのためにも、まず目標にすべきは、〝毎月必要になる生活費が給料以外の収入から得られるようにする〟こと。これが実現するまでは、質素(しっそ)な暮らしを心がけて徹底的にコップに水を貯め続けるんだ。
「貧(ひん)すれば鈍(どん)する」ということわざがあるけれど、お金に困っている人は、毎月の家計の支払いのために頭が一杯になってしまうから、思考が停止し、新たなアイデアが浮かびにくくなる。そして、とにかく明日のお金を心配するようになってしまい人生の選択肢が狭まってしまうんだ。
逆にお金に心配することがなくなると、未来思考になって、どんどんやりたいことやアイデアが生まれてくるものだ。想像力も豊かになっていくよ。
だから、ちょっと儲かったからって、お金をすぐに使ってはいけない。コップの水が溢れるまでじっと我慢しよう。お金のために働くんじゃなくて、お金を自分のために働かせる方法を常に考えるんだ。
浦田 健
明治大学商学部卒。不動産コンサルティングの第一人者。著書は不動産部門最多となる累計30万部超。不動産コンサルティング会社のほか、不動産管理会社、不動産投資会社を経営。自らも日々アパートの掃除を行なう大家さんのひとり。2008年「一般財団法人日本不動産コミュニティー(J‐REC)」を設立、代表理事に就任。「すべての人に不動産の知識を!」を実現するために全国を奔走中。年間の講演数は40回を超える。
提供元・YANUSY
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