株式投資には取引できる時間帯が決まっているのはご存知だろうか。投資のタイミングを逃さない為にも、取引可能な時間を把握しておくことは大切だ。今回は株式投資が可能な時間帯やそれ以外の時間帯でも取引できる方法を紹介しよう。

証券取引所が開いている時間は場所によって差がある

現在日本の証券取引所は東京証券取引所、名古屋証券取引所、札幌証券取引所、福岡証券取引所の4カ所が存在する。

取引が可能な時間帯は前場(午前の取引時間)と後場(午後の取引時間)の2種類があるが、それぞれの時間帯は各証券取引所によって異なる。

以下は各証券取引所の取引時間をまとめた表だ。

<各証券取引所の取引時間>

証券取引所 前場 後場
東京証券取引所 9時~11時半 12時半~15時
名古屋証券取引所 9時~11時半 12時半~15時半
札幌証券取引所 9時~11時半 12時半~15時半
福岡証券取引所 9時~11時半 12時半~15時半

※大和証券の公式サイトをもとに筆者作成

前場は全ての証券取引所が共通の時間帯だが、後場は東京証券取引所以外は15時半まで取引が可能となっている。

基本的に証券取引所の取引時間内であれば株式取引は可能だが、年末年始と土日祝日は証券取引所自体が休みとなっているので注意して頂きたい。

海外の証券取引所は前場後場がなくサマータイムがある

日本の株式だけでなく、海外の株式を売買する人には海外の証券取引所の取引時間も把握しておく必要があるだろう。以下はニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所、上海証券取引所の取引時間の表だ。

<海外の証券取引所の取引時間(日本時間)>

証券取引所 取引時間
ニューヨーク証券取引所 23時半~翌日6時
(夏22時半~翌日5時)
ロンドン証券取引所 17時~翌日1時半
(夏16時~翌日0時半)
上海証券取引所 10時半~12時半
14時~16時

※日経CNBCの公式サイトをもとに筆者作成 
※祝祭日などは休場

ニューヨーク証券取引所、ロンドン証券取引所では日本の様に前場後場の区別が無く、昼休みはない。またサマータイムによって夏は取引時間が変わる点には注意が必要だ。

上海証券取引所は日本と同じように取引時間が2つに分かれており、昼休みがある。同じアジアという事もあり、日本の証券取引所と同じような取引時間となっている。

証券取引所が開いていなくても注文は可能

株式取引が可能な時間は実際に証券取引所が開いている時間であるが、注文だけであれば証券取引所の取引時間外でも可能だ。

ネット証券であれば取引時間外の注文であっても、いつでもインターネットで発注できる。ただし注文した日ではなく、翌営業日の注文として扱われる。

ただし証券会社によってはメンテナンス時間があり、その時間帯は注文ができないこともあるので注意が必要だ。メンテナンスには臨時メンテナンスと定期メンテナンスがあり、各証券会社の公式サイトで発表されているので、定期的にチェックしてみよう。

PTSとは?証券取引所が開いていなくてもリアルタイム取引できるサービス

ネット証券では証券取引所の取引時間外でも注文は可能だが、それはあくまで受付ができるだけだ。実際に取引されるのは翌営業日の取引時間になるため、取引時間外に取引ができるという事ではない。

しかしPTSという取引を利用することで、実は証券取引所の取引時間外であってもリアルタイムで取引が可能となる。

PTSとは私設取引システム(Proprietary Trading System)の事で、証券取引所を通さず、証券会社などが独自に運営する私設取引システムだ。

PTSを活用することで、本来では取引できない夜間の時間帯でも、PTSが対応している時間であれば株式の取引が可能となる。2019年10月現在ではSBI証券や楽天証券、松井証券でPTSを提供している。以下は各証券会社のPTS取引可能時間をまとめた表だ。

<PTS取引時間表(2019年10月現在)>

PTS取引時間
SBI証券 日中:8時20分~16時
夜間:17時~23時59分
楽天証券 日中:8時~16時
夜間:17時~23時59分
松井証券 日中:8時20分~15時半
夜間:17時半~23時59分

※各証券会社の公式サイトをもとに筆者作成

証券会社によって少し取引時間が変わるが、夜間や昼休みなど証券取引所の取引時間以外でもリアルタイムの取引が可能だ。PTSを利用することによって、仕事が終わった後の時間帯でもリアルタイムで取引が可能となるため、忙しいビジネスパーソンにはうれしいシステムだろう。

PTSの2つのメリット 価格と手数料

PTSは証券取引所に比べ取引時間が長く忙しいビジネスパーソンでも朝方や夜間にリアルタイムで取引できることがメリットだが、他にどのようなメリットがあるだろうか。

メリット1. 証券取引所に比べて有利な価格で売買できる

PTSのメリットは、証券取引所の取引価格に比べて有利な価格で売買できる可能性がある点だ。証券取引所とPTSの株価は必ずしも同じではないため、証券取引所とPTSの両者が開いている場合はより高値で売買されている方を選択できる。また、夜間や早朝のニュースによっては株価が変動する場合があるため、チャンスを逃さず売買できる可能性が高まるだろう。

他にもPTSでは希望の売買価格を証券取引所での設定よりも細かく設定できるため、より有利な価格で売買できることもある。1円でも株を高く売りたいという場合には向いているだろう。

メリット2. 手数料が安い場合がある

PTSでの取引手数料が証券取引所での取引手数料に比べて安い場合もあり、取引コストの面でメリットがある。SBI証券では1回の注文の約低代金ごとに手数料を払う「スタンダードプラン」と比べ、 PTSの手数料は約5%安くなっている。楽天証券と松井証券では通常の株式取引と同じ料金体制だ。

PTSの2つのデメリット 値動きと差金決済

デメリット1. 流動性が低く値動きが激しい場合がある

PTSのデメリットは証券取引所での売買と違い流動性が低く、値動きが激しい場合がある点だ。流動性はPTS取引への参加者が多いか少ないかで決まる。PTS取引への参加者は東京証券取引所の参加者に比べるとまだ少なく、売りたい銘柄が希望の価格で売れないこともあるため注意して頂きたい。

デメリット2. 差金決済取引になる可能性がある

差金決済にも注意が必要である。差金決済とは、現物の受渡しを行わず、株を売った金額と買った金額の差額で決済することをいい、現物取引では禁止されている。

例えば、口座の入金が80万円ある場合にある銘柄を50万円で買い、60万円で売り、再度50万円で買ったとする。この場合、同一銘柄を2株買った場合と同じと考えられるため、本来は2株で100万円の入金が必要だ。しかしこの例では不足額の20万円を銘柄の売買代金の差額で決済してしまっているため取引できない。

PTSでは、日中の取引の受渡日と夜間取引の受渡日が違う。日中の取引の場合は、約定日から2営業日後、夜間取引の場合は約定日から3営業日後が受渡日となる。

少額の資金で同一の銘柄を複数回売買する際は、受渡日が同日になると差金取引にあたる恐れもあるため、しっかりと確認が必要だ。

投資をスタートする前に取引時間は確認を

株式取引ができる時間は、証券取引所や証券会社が用意するPTSなどによって様々だ。忙しいビジネスパーソンでも、PTSを使えばリアルタイムでの取引も可能だがメリット・デメリットについてはしっかり把握しておこう。これから株式取引を始める人は、ぜひ各証券取引所やPTSの取引時間を確認してから投資をスタートしたい。

文・右田創一朗(元証券マンのフリーライター)

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