dodaが行った転職人気企業ランキング2019で、第3位に選ばれた楽天。eコマース事業から発展を遂げ、今では銀行や証券、携帯キャリア事業まで手がける巨大企業だ。多くのビジネスパーソンに転職先として選ばれる人気企業だが、平均年収はいくらぐらいなのだろうか。

有価証券報告書とは?

日本証券業協会によれば、有価証券報告書とは会社の概況から事業や設備の状況、財務状況まで多岐にわたる情報が盛り込まれている報告書のことだ。

子会社を保有している企業の場合、連結決算と単体決算に分けて財務諸表が表示されており、単体はその企業のみ、連結は子会社や関連会社も含めた数字である。子会社の経営状況は少なからず親会社に影響するため、現在は日本を含め世界的に連結決算の数字が重視されている。

楽天の有価証券報告書には、これまでの楽天の歴史や全子会社の情報、株式の配当政策や事業のリスクなど、あらゆることが記載されており、経営者や投資家だけでなく、楽天を知りたい人にはうってつけの情報と言えるだろう。

楽天の平均年間給与は720万円、平均年齢は34.4歳

気になる楽天の平均年間給与は、720万円。平均年齢は34.4歳で、平均勤続年数は4.7年だ(2018年12月31日現在における提出会社単体の数字)。

子会社を含めた連結ベースの売上高は、2018年度は4,319億円。前年度は3,596億円、5年前の2014年度は2,354億円で堅調な伸びを示している。純利益も2014年度の651億円から2018年度は818億円に増加しており、業績は好調のようだ。

楽天が目指す4つの収益の柱 海外事業の展開は?

楽天の基本戦略は、「楽天エコシステム」という経済圏を構築し、それを拡大することで成長するというもの。2019年4月からの体制では、これまで楽天に紐づいていた子会社を整理し、インターネットサービスは楽天、通信事業は楽天モバイルネットワーク、FinTech事業は楽天カード、決済事業は楽天ペイメントに集約する方針を示した。

現在、楽天カードの流通総額は7兆円を超え、楽天モバイルは全国に400店舗以上を構える。決済事業やFinTechなど、今後の成長が期待できる分野に積極的に投資をしていくことで、さらなる収益が期待できる。

国内の業績は堅調だが、課題は海外事業だ。楽天の社長である三木谷氏はかねがね「楽天をグローバルカンパニーにする」と意欲を見せており、社内の公用語は英語だ。実際、外国人エンジニアも増えており、社内のグローバル化は進んでいるようだ。しかし海外事業は、2010年にEC事業がヨーロッパや東南アジアに進出したものの、2016年にはそのほとんどの国から撤退している。今後は、携帯キャリアとして海外で事業展開する方針だ。

国内では「楽天エコシステム」を拡大してきた楽天だが、今後の成長のカギとなるのは、これまで何度も撤退してきた海外事業が実を結ぶかどうかにかかっているかもしれない。

文・MONEY TIMES編集部
 

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