アメリカの巨大IT企業群GAFAの一角をなすGoogle。2015年にGoogleは親会社Alphabetの設立を発表し、Googleはその子会社となった。今や私たちの生活になくてはならない存在となった、検索エンジンの生みの親とも言えるGoogle。dodaによる2019年の転職人気企業ランキングでも堂々の1位となった。この世界的有名企業で働く人たちの年収は、一体どれくらいなのだろうか。Alphabetの株主総会報告書から、その平均年収をご紹介しよう。
アメリカにおける有価証券報告書は?
アメリカにおける有価証券報告書は、株主総会報告書や委任状説明書にあたり、SEC(アメリカ証券取引委員会)が管理している。
SECは証券取引法第12条に基づき、証券が登録されている会社はその株主に、年次総会または特別総会を問わず、株主総会の前に委任勧誘状(proxy statement)を公開するよう義務付けている。委任勧誘状には株主が投票を行う上で必要な、業績や株式所有権、取締役報酬などが含まれる。
Googleの親会社Alphabetの平均年間給与は2,705万円
大手IT企業というと高給のイメージがあるが、実際はどうなのだろうか。
Alphabetの株主総会報告書によると、Googleを含めたAlphabet社員の年間給与の中央値は24万6,804ドル(約2,705万円)。
給与構造に関しても、一般企業と異なる点がある。従業員よりはるかに高給であるはずのCEOラリー・ペイジ氏の年間給与は、わずか1ドルなのだ。
一見不合理に思えるが、「年間1ドルで働くCEO」は特にIT産業では珍しくない。FacebookのCEOマーク・ザッカーバーグ氏やGoogleの共同創業者セルゲイ・ブリン氏、ヒューレット・パッカードのCEOメグ・ホイットマン氏、Oracleのラリー・エリソン氏などは、書類上は年間給与1ドルで働いている。
彼らは、自社のストックオプションやボーナスで、巨額の報酬を得ているビリオネア(純資産10億ドル以上を保有)だ。年間給与が1ドルでも、経済的には困らないのかもしれない。
Googleを有するAlphabetの2019年の収益は15兆円以上
Alphabet の2019年3月通期の年間収益は、前年同期比21.12%増の1,420億ドル(約15兆円)。過去4年間で毎年20%以上の伸びを記録してきた。
2018年の収益構造を見てみると、1,368億ドル(14兆円)の85%は、GoogleやYouTubeの広告収入だ。一方で、スマートホーム・デバイスやドローン配送、自動運転車を含む「次なる大きな収益源」も0.4%を占めている。
構成比としては微々たるものだが、子会社Waymo(ウェイモ)を介し、自動運転車を大量生産する世界初の工場建設計画を発表するなど、次世代自動車市場における存在感を確実に高めている。
また、Alphabetはシェアリングエコノミー市場にも参入しており、24時間365日予約可能なコーポレート・カーシェアリング・サービス「AlphaCity」 を提供している。
今や生活になくてはならない存在となった、検索エンジンのGoogle。親会社のAlphabetは、その高いIT技術を活かし、さまざまな分野への進出を試みている。今後もGoogleとAlphabetの動きから目が離せない。
文・MONEY TIMES編集部
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