基本周波数が高いと、聞こえる音の高さも高くなり、話者はこの基本周波数を調整することで、話のトーンや感情を表現します。
一方、フォルマント周波数は、声道(口腔、咽頭、鼻腔など)の形状やサイズに関係し、それらの共鳴によって強調される特定の成分です。
フォルマント周波数は音声の音色や質感に大きく影響すると言われています。
この研究では、ここまで実験で使用された各音声の音響特性を測定し、魅力の評価とどのような関係にあるかを分析しました。

その結果、男性の声は基本周波数が低い方が魅力的、女性の声は基本周波数が高い方が魅力的に評価されるという傾向が得られました。
フォルマント周波数に関しては、今回の実験ではどちらの性別でも魅力に有意な影響を与えていませんでした。
「男性では低い声が魅力的」「女性では高い声が魅力的」という結果には共感する人も多いでしょう。
今回の研究結果を総合的に考慮すると、平均的な声が魅力を向上させるわけではなく、ピッチなどに関連した声の特徴が魅力と相関している可能性が示唆されています。
確かに、声優やVTuber(CGキャラクターを用いた配信者)などでは、特徴的な声を持つタレントが高い人気を誇ります。
そのため、顔は特徴を削った平均的なものが好まれますが、声に関しては他と異なる特徴を持つ方が魅力的だと評価されやすい、逆の傾向があるのかもしれません。
ただ、特徴的な声の人は日常で会話している場合と、ナレーションなどの画面越しに聞いている場合では印象が異なる場合もあります。
声の平均化と魅力に関しては、今回とは異なる研究結果もあるため、この関係を明らかにするためにはさらなる調査と研究が必要でしょう。
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参考文献
Voice attractiveness: Average isn’t always better, says new study
https://www.psypost.org/voice-attractiveness-average-isnt-always-better-says-new-study/