また、診断を「自分の全て」と受け止めてしまうと、「どうせ自分は病気だからできない」という思い込みに囚われ、回避行動が強まり、かえって悪循環が続く危険もあります。

このように診断名は「魔法の言葉」として希望を与える一方で、扱い方を誤ると長期的な心理的ダメージをもたらすこともあります。

研究者らは、今後この効果をプラセボ効果と同じように科学的に検証する必要があると指摘します。

科学的な解明はまだ始まったばかりですが、診断の持つ「名前の力」を前向きに活かしていきたいものです。

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参考文献

The “Rumpelstiltskin Effect”: When Just Getting A Diagnosis Is Enough To Start The Healing
https://www.iflscience.com/the-rumpelstiltskin-effect-when-just-getting-a-diagnosis-is-enough-to-start-the-healing-80801

Psychiatrists describe the “Rumpelstiltskin effect”: The surprising power of simply receiving a diagnosis
https://www.psypost.org/psychiatrists-describe-the-rumpelstiltskin-effect-the-surprising-power-of-simply-receiving-a-diagnosis/

元論文

The Rumpelstiltskin effect: therapeutic repercussions of clinical diagnosis
https://doi.org/10.1192/bjb.2025.10137

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。