そして彼らの体臭を比較するため、新しい綿のTシャツを6時間以上着用してもらい、それを匂い分析器で解析。
また匂いを嗅ぐボランティア「スメラー」を25人募集して、参加者たちの体臭を比較してもらいました。
機械と人間の両方で、ウマが合う友人ペアの匂いを比較調査したのです。
その結果、機械と人間の両方が、「ペア同士の匂いは、そうでない人の匂いと比べて似ている」と判断することが多かったようです。
とはいえ、この結果だけでは、「同じような匂いが友情を促進する」とは言い切れません。
彼らはすでに多くの時間を一緒に過ごしてきたため、住んでいる場所や食べ物など、似たような経験を通して、同じ体臭が形成された可能性があるからです。
そこでチームは、追加の実験を行うことにしました。
「ウマが合う」と感じた相手は「自分と同じ匂い」だった

別の実験では、それぞれが初対面の17人を集め、「ミラーゲーム」を行ってもらいました。
ミラーゲームとは、お互いの手の動きを真似するゲームのことです。
今回は、お互いが匂いを嗅げるよう50cmだけ離れた至近距離で行われ、2分間続けられました。
66組のペアで試したところ、3分の1のペアが「相手と気が合う」と答えました。
そして参加者の体臭サンプル(前回の実験と同様の方法で採取)を匂い分析器にかけたところ、気が合うペアはそうでないペアに比べて、匂いの化学的な類似性が有意に高いと判明。

似たような匂いの人々は、71%の確率で「気が合う」「ウマが合う」と感じていたのです。
さらに2人の匂いが似ているほど、お互いに好意をもち、理解し合い、相性が良いと感じていることも分かりました。