このサイトは、カナダ人アーティストのフランソワ・ブリュネル(François Brunelle)氏が、1999年以来、ネットを通じて収集した世界中のそっくりさんの写真がコレクトされています。

チームが、顔認識アルゴリズムを用いて、32組のペアがどれだけ似ているかを採点したところ、半数組が類似度の高い「ドッペルゲンガー」と認定されました。

(ちなみに、すべてのペアには、血縁関係がなく、共通する祖先から遺伝子を受け継いでいないことが確認されています)

研究で用いたそっくりさん同士の顔写真(※ 赤の他人です)
研究で用いたそっくりさん同士の顔写真(※ 赤の他人です) / Credit: Manel Esteller et al., Cell Reports(2022)CC BY 4.0

さらに、これらのペアを対象に、身体測定、経歴や日常生活に関するアンケート、採取した唾液のDNA解析を実施。

結果、そのうちの9組18人で、身長や体重、利き手、血液型、学歴、メガネやペットの有無、喫煙や飲酒の習慣など、多くの点で驚くほどの共通点が見つかったのです。

さらに、DNA解析では、3730個の遺伝子について、計1万9277個もの共通する遺伝子変異を持っていました。

その多くは、顔や体の形態的特徴に関するものです。

この18人は、血縁関係がないにも関わらず、容姿から日常のライフスタイルまで、本当に瓜二つでした。

超そっくりの9組18人には、経歴や生活習慣の点で多くの類似性が見られた
超そっくりの9組18人には、経歴や生活習慣の点で多くの類似性が見られた / Credit: Manel Esteller et al., Cell Reports(2022)CC BY 4.0

この結果から、同じ遺伝子変異の共有は、外見の類似性に関係するだけでなく、共通の習慣や行動にも影響を与える可能性があると示唆されました。

一方で、DNAレベルで共通点の多いそっくりさん同士でも、マイクロバイオーム(腸内微生物叢)には、大きな違いが見られています。

マイクロバイオームは、栄養や運動、喫煙などの環境要因に強く左右されるため、似たような遺伝子を持つ人でも、個人差が出やすいようです。