人間のように波長を色で細かく区別はしないものの、動物たちの多くはその分広い波長の光を捉えているようです。

タペタムで暗闇でもわずかな光を認識

暗い闇でイヌやネコの目が光るのは、瞳の中にタペタム層があるため
暗い闇でイヌやネコの目が光るのは、瞳の中にタペタム層があるため / Credit:en.Wikipedia

またイヌやネコなどの動物には網膜の裏にタペタム層と呼ばれる人間にはない反射板がついています。

これにより、網膜が吸収できなかった光を再度網膜へ反射させることで、僅かな光であっても2倍の強度で認識することができるのです。

イヌやネコなどの動物が暗闇の中で目を光らせているのを見たことがある方も多いのではないでしょうか?

あればタペタム層で目に入った光が反射しているからなのです。

このため、イヌは暗闇の中でわずかな光も逃さず認識でき、暗闇でも何があるかわかると言います。

このように、イヌと人間では色や光の見え方が大きく異なりますが、実はそれ以外の「見え方」にも大きな違いがあります。

次ページで説明していきますね。

色だけじゃない!人間と犬の見え方の違い

何かを見る人間と犬
何かを見る人間と犬 / credit:Pixabay

まず、イヌと人間では視力がまったく異なります。

犬種によって異なるもののイヌの視力は人間に換算すると0.2~0.3程度で、ピントを合わせる能力が低く、視界はかなりぼやけているようです。

また、人間とイヌでは目のつき方にも大きな違いがあります。

人間は真正面に目がついていますが、イヌは広い視野を保つため、顔の正面に対し20度ほどの角度がついているのです。

このため、視野は広いものの立体を認識できる範囲は人間よりも狭く、物の奥行きを認識しづらかったり、距離感がわかりづらかったりします。

ここまで事実を踏まえた上で、人間の見る風景とイヌの見る風景を比べると、こんな風に違ってみえます。

人間と犬の目で見た風景の違い
人間と犬の目で見た風景の違い / Credit:caninecottages,Seeing UK landmarks through a dog’s eyes