こうした活動は神経を活性化させ、進行を遅らせる効果が期待できます。

ただし、重度の認知症の猫に環境を大きく変えると、かえって混乱や不安を招き、症状が悪化する場合があります。

状態に応じた慎重な配慮が欠かせません。

食事の工夫

ビタミンEやCなどの抗酸化物質、必須脂肪酸を含むサプリメントが脳の炎症を抑え、進行を遅らせる可能性が示されています。

ただし科学的に効果が確認されているのは犬での研究であり、ネコでの有効性はまだ不明です。

特に犬用サプリメントにはネコに有害な成分(αリポ酸など)が含まれることがあるため、必ずネコ用に認可されたものを使う必要があります。

ネコの認知症は珍しい病気ではなく、加齢とともに多くの猫が経験する可能性があります。

行動の小さな変化を「年のせい」と見過ごさず、早めに気づいて獣医に相談することが、愛猫の快適な老後を守る第一歩となるでしょう。

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参考文献

Your Cat Can Get Dementia Too – Here Are 8 Signs to Look Out For
https://www.sciencealert.com/your-cat-can-get-dementia-too-here-are-8-signs-to-look-out-for

元論文

Amyloid-Beta Pathology Increases Synaptic Engulfment by Glia in Feline Cognitive Dysfunction Syndrome: A Naturally Occurring Model of Alzheimer’s Disease
https://doi.org/10.1111/ejn.70180

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部