これまでと違って頻繁に鳴いたり、夜中に大きな声で鳴き続けるようになります。飼い主を呼ぶような切迫した声が増えることもあります。
2. ふれあい方の変化
以前よりも甘えん坊になって飼い主に付きまとう、逆に距離をとって不機嫌そうに振る舞うなど、交流の仕方が大きく変わることがあります。家族を認識できないような様子を見せることもあります。
3. 睡眠パターンの変化
夜に落ち着きがなくなり、昼間に長時間眠るようになるなど、昼夜逆転の傾向が出ます。
4. トイレの失敗
トイレの場所を忘れたり、トイレ以外の場所で排泄してしまうことがあります。他の病気のサインでもありますが、認知症でも典型的に見られる症状です。
5. 方向感覚の喪失
壁をじっと見つめる、家具の裏で動けなくなる、ドアの間違った側に立つなど、混乱した行動が増えます。これは人間の認知症患者の徘徊や迷子に似ています。
6. 活動量の変化
これまでより活発になったり、逆に動かなくなったりします。遊びや探検に興味を失い、毛づくろいを怠ることもあります。
7. 不安そうな様子
以前は平気だった人や環境、音に対して不安を示すことがあります。ベッドの下や棚の上に隠れるなど、逃避行動が目立つようになります。
8. 学習能力の低下
これまで覚えていたルール(トイレや食器の場所など)を忘れたり、新しいことを学ぶのが難しくなります。
これらのサインは1つだけでなく、複数が同時に現れることも多いため、見過ごさずに観察することが大切です。
ケアの工夫と今後の研究
ネコの認知症は、人間や犬の研究から得られた知見をもとに理解が進められていますが、まだ研究は十分ではありません。
現時点では根本的な治療法はなく、進行を遅らせたり生活の質を改善するケアが中心となります。
環境の工夫
軽度の症状であれば、脳を刺激する遊びやおもちゃを使った「狩りごっこ」、かくれんぼなどで探索を促すことが有効とされています。