今後は、このトレーニングを高齢者になる前から生活に取り入れることで、将来の筋力低下や転倒リスクを予防する手段として活用されることが期待されます。

椅子に座る、しゃがむといった動作は日常生活の中で繰り返し行われるものです。

その動作を礼法の所作に置き換えるだけで、自然に足腰を鍛えることができるのです。

また、この研究は文化的な意義も持っています。

日本の伝統文化である礼法を科学的に評価し、その健康効果を明らかにしたことは、国内外から注目される新しい健康資源につながる可能性を示しています。

文化と科学が融合することで、健康づくりの選択肢が広がるのです。

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参考文献

武士の日々の所作で脚力が強化する 1日わずか5分で高齢期の筋力低下を防ぐ効果に期待
https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2025/09/press20250901-02-Samurai.html

元論文

A Traditional Japanese Samurai Movement Rei-ho as a Knee Extension Strength Training: A Randomized Controlled Study
https://doi.org/10.1620/tjem.2025.J099

ライター

千野 真吾: 生物学に興味のあるWebライター。普段は読書をするのが趣味で、休みの日には野鳥や動物の写真を撮っています。

編集者

ナゾロジー 編集部