ファウルぎりぎりの厳しいタックルを繰り返し、カプリーニを起点とする攻撃を封じ込める。高嶺の高いインテンシティーと的確な守備対応が札幌に勝利を呼び込んだ。


北海道コンサドーレ札幌 写真:Getty Images

勝利を呼び込むドリブルと強烈FK弾

序盤は大宮に押し込まれる時間が続いた札幌だが、時計の針と共に徐々にペースを掴んでいく。前半44分、アタッキングサードでボールを受けた高嶺はドリブルを開始。キックフェイントを駆使したドリブルで相手選手4人を抜き去り、最後は相手のファウルを誘ってペナルティアーク付近でフリーキック(FK)を獲得した。このプレーには、DAZN解説の曽田雄志氏も「メッシ選手を彷彿とさせる」と絶賛した。

MFスパチョークと相談の末、このFKは高嶺が務めることに。至近距離のFKは壁に阻まれることが多く、直接ゴールは難しいが、高嶺はあえてキーパーサイドを狙い、強烈な一撃を放つ。無回転気味のシュートは狙い通りゴールネットに突き刺さり、決勝点を奪うことに成功。攻守両面で存在感を示した高嶺は、この日のMVPと呼ぶにふさわしい活躍を見せた。


北海道コンサドーレ札幌 サポーター 写真:Getty Images

サポーターに誓い「一緒にJ1昇格を…」

今シーズンの札幌は「1年でのJ1復帰」を誓い再スタートしたが、開幕から4連敗を喫し、一時は単独最下位に陥るなど思い描く理想とはかけ離れる形となった。第3節のレノファ山口戦(0-2)の後には、サポーターのもとへ歩み寄り声を聞くシーンも見られた。その中心にいた高嶺は人一倍責任を背負っていたはずだ。実際、今年1月の加入時に公式HPで「覚悟を持って札幌に帰ってきた」と語っており、序盤の苦境を経て、彼の振る舞いがチームを立て直す大きなきっかけとなった。

高嶺は強度の高いフィジカルコンタクトやインターセプトで数多くのピンチを救ったほか、攻撃面でもMFながらチーム2位となる6ゴールをマーク。要所で結果を残してきた。さらに最終ラインに負傷者が続出した際には、センターバックや両サイドバックとしてもプレーし、替えの利かない存在であることを証明した。