専門家が明かす、UFOの“がっかりな”正体

 不気味な見た目、周囲から浮いた存在感…。多くの人々が、これが未知の存在の証拠だと信じ始めた。しかし、UFOマニアたちの興奮に冷や水を浴びせるかのように、科学者たちがその正体をあっさりと解き明かしてしまった。

 ニューカッスル大学の氷河学者、ベッサン・デイビス教授は、英紙「デイリー・メール」の取材に対し、次のように語った。

「これは、岩の窪地にできた小さなです」

 彼女によると、この物体は「バンガーヒルズ」と呼ばれる、南極では珍しく氷が少ない地域にある湖の一つだという。湖の水は雪よりも太陽の熱を吸収しやすいため、周囲の雪を溶かし、まるでUFOのような半円形のくっきりとした輪郭を作り出しているのだ。

 英国南極調査所の地図専門家も、「小さな湖のように見える」とこの見解に同意。氷の縁に沿って滑らかな曲線が形成されることは、この地域ではごく自然な現象だと説明した。

なぜ南極は陰謀論の舞台となるのか

 残念ながら、今回の「UFO基地」の正体は、自然が作り出した地形だったようだ。しかし、Googleマップが捉えた南極の奇妙な地形が、UFOや古代文明の陰謀論に結びつけられるのは、これが初めてではない。

 広大で、ほとんどが未踏の地である南極は、人々の想像力を掻き立てる格好の舞台だ。衛星写真が捉えた氷の裂け目や岩の形が、時に我々の既成概念を超える不思議な姿を見せることもある。

 今回もまた、科学的な真実が一つ明らかになったわけだが、南極の氷の下には、まだ我々の知らない多くの謎が眠っていることだけは間違いない。そして、Googleマップの探検家たちは、これからも私たちを驚かせる発見を続けてくれることだろう。

参考:LADbible、ほか

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