「オーストリアも、ガザにおける耐え難い苦しみを終わらせ、ハマスの手から残りの人質を最終的に解放するために、国際社会の圧倒的多数に加わるべき時が来た」と、現リビア大使バーバラ・グロッセ氏、ヨルダン駐在大使マリーケ・ジンブルク氏、そして外務省西バルカン担当特別代表ウルリケ・ハルトマン氏を含む外交官たちは述べている。
公務員の立場で政治的発言することについて、ペトリッチ氏は「状況が極端で、国際法のあらゆるルールに違反し、文明国間で通常行われるあらゆる事柄を無視している場合、それは例外であると私は考える」と指摘、公務員も声を上げなければならないと主張している。
26人の外交官の公開書簡に対し、ベアテ・マインル=ライジンガー現外相は28日、ガザ戦争に関するオーストリア政府のこれまでの方針を堅持すると発表した。
同外相は7月、30カ国外相による敵対行為の即時停止を求める共同アピールに署名したが、今回の外交官たちの公開書簡に対して、「オーストリアは、イスラエルの安全保障、生存権、そして正当な自衛権に全面的にコミットしている。2023年10月7日にハマスが行った蛮行なテロ攻撃を強く非難し、全ての人質の即時解放を求める。同時に、パレスチナ民間人の苦しみは、無関心ではいられない。民間人の保護と国際法の尊重が不可欠だ」と説明している。
なお、駐オーストリア・イスラエル大使のデイヴィッド・ロート氏は27日、公開書簡への憤りを表明している。曰く「この戦争の責任者であるテロ組織ハマスに責任を問う代わりに、この書簡はイスラエルを非難し、中東で唯一の民主主義国であり、オーストリアの緊密な同盟国であるイスラエルに対する前例のないEU制裁を支持するよう求めている」と公開書簡の署名者を批判している。
公開書簡は最後、「オーストリアは決断を迫られている」として、「オーストリアもまた、今こそ自らの発言がどれほど真剣なものか、決断を迫られている。EU・イスラエル連合協定および資金プログラムの停止、そして貿易制限の導入は、真剣に検討されるべきである。とりわけ、人権侵害、戦争犯罪、そして人道に対する罪を犯したり支援したりする者に対する包括的な武器禁輸措置と制裁が不可欠だ。オーストリアもまた、ガザにおける耐え難い苦しみに終止符を打ち、ハマスの手から残された人質の解放を最終的に確保するために、国際社会の圧倒的多数の声に加わるべき時が来ている」と明記している。