こうして作用だけ効くと、決められたタイミングで飲み続けなければいけない通常のピルよりかなり使いやすく、効能はあまり変わらないという印象を受けます。
なら、なぜノルレボ錠は”緊急時の最後の手段”とされるのでしょうか? コンドームの代わりのように常用すると何が起きるのでしょうか?
なぜ”緊急”なのか? アフターピルを常用するリスク
もしアフターピルも通常ピルも同じホルモンで避妊するなら、アフターピルをコンドーム代わりに避妊してもいいのでは?
そんなことを考える人もでてくるかもしれません。しかし、ノルレボ錠はあくまで”緊急時の最後の手段”とされています。では、なぜこの薬の常用は推奨できないのでしょうか?
緊急避妊薬ノルレボ錠は、通常のピルの何倍ものホルモン量を一度にまとめて服用します。
そのため、服用直後から月経周期が乱れ、不正出血が起きたり、強い頭痛や吐き気、倦怠感が生じたりと、ホルモンバランスの急変による体調不良が起こりやすくなります。
ホルモンバランスの乱れによって次の生理が大幅に早まったり、逆にかなり遅れたり、普段とは全く違う体調の変化が出たりと、一時的でも明確な影響が現れる場合があります。
では、緊急避妊薬をコンドームの代わりに普段から繰り返し使うとどうなるのでしょうか。
実際には「月経周期中に複数回の使用は推奨されない」「頻繁な使用による長期的な安全性は確認されていない」となっています。
繰り返しの使用によってさらにホルモンバランスが乱れやすくなり、生理不順や予測不能な出血、持続的な体調不良が慢性化するリスクもあります。
そのため、緊急避妊薬を「普段の避妊薬」や「コンドームの代用」として使うのは、医学的に極めて危険です。
さらに重要なのは、長期的な常用リスクを調査した研究自体が現時点で存在しないという事実です。
そもそも危険性が明白なので、何度も使い続けた場合に将来どんな影響が出るかを示す科学的な調査データはまだありません。そのため予期せぬ深刻な健康被害のリスクを否定できません。