思い出された“香りの違和感”

Unusual-scent
(画像=『FUNDO』より引用)

ふと、数週間前の記憶がよみがえりました。

洗濯したばかりのはずなのに、夫のシャツからうっすら漂っていた甘い香り。

普段の香水とは違う、軽くて若い印象の匂い——あのとき感じた違和感。

「職場の人かな?」と流していたけれど、今ならわかる。

それは、まさに“お気に入り”に登録されていた、あの香水の匂いでした。

本命にだけ見せる「優しい顔」

「どれが似合うかな」 「この香り、きっと好きだよね」

そんなふうに誰かの笑顔を思い浮かべながら、画面越しに選んだであろう贈り物たち。

でも、それを受け取るのは私じゃない。

別の誰か。

そこには、Kさんがもう何年も見ていない “ 優しくて気の利く夫 ” の姿がありました。

感情じゃなく、証拠で動く

すぐに問い詰めることはしませんでした。

「感情でぶつかっても、逆に言い逃れされる」

そう思ったKさんは、冷静に “ 証拠集め ” に動きます。

・お気に入りリストのスクショや購入履歴の配送先など、冷静に記録を重ねました ・商品ページの価格とURL ・スマホのロック画面の変化や充電の状態

ほんの少しの隙を使い、静かに記録を重ねていったそうです。

直接対決:「この香水、私のじゃないよね?」

Direct-confrontation
(画像=『FUNDO』より引用)

すべての証拠がそろった夜。

Kさんは、あえてごく自然な声でこう切り出しました。

「この香水、どこで買ったの?」 「私、使ったことないけど」

夫の表情がピタリと止まったその瞬間。

Kさんはスマホの画面を差し出し、こう続けました。

「好きな人に贈るものって、センス出るよね」

それは、皮肉ではなく事実の確認でした。