「衝撃的」専門家が導き出した“マッハ0.7”という速度

 この謎を解明するため、画像はチリの民間航空総局(SEFAA)やUFO博物館、そして未確認航空現象の専門家たちに送られた。

 UFO研究家のフレディ・アレクシス・シルバ氏は、軌道、分光分析、地形データなどを組み合わせた技術的分析を行い、この発見を「mind blowing(衝撃的)」と評価。彼が明らかにした最も驚くべきデータは、物体の速度だった。なんと、時速約947km。これは音速に迫るマッハ0.7に相当する速度だ。

「これは、未確認異常航空現象の記録に分類されるものです」とシルバ氏は指摘する。彼は、この物体の正体について、「プラズモイド」である可能性を提唱している。プラズモイドとは、短時間だけ存在するエキゾチックなプラズマの一形態で、主にロシアの研究者たちによって研究されている現象だ。この仮説はまだ予備的なものだが、この目撃がいかに異常なものであったかを物語っている。

「時速947kmの衝撃」研究者が捉えた“謎の発光体”、その正体はプラズマかUFOか? チリ・パタゴニアで前代未聞の記録の画像2
(画像=画像は「Facebook」より)
「時速947kmの衝撃」研究者が捉えた“謎の発光体”、その正体はプラズマかUFOか? チリ・パタゴニアで前代未聞の記録の画像3
(画像=画像は「Facebook」より)

「科学的調査で初めて」歴史的価値を持つ記録

 この記録の重要性は、その出所が「科学的な研究プロジェクト」であるという点にある。研究チームのロドリゴ・ブラボー・ガリード氏は、その歴史的価値を強調する。

「パタゴニアでこのような現象が起きたことは、過去の報告や記録からも知られています。しかし、科学的な調査の過程で記録され、プロジェクトを担当する学者によって公式に認められたのは、今回がおそらく初めてであり、極めて前例のないことです」

 この発見は、これまで偶然や不確かな情報として扱われがちだった未確認飛行物体の存在について、より真剣な科学的調査の必要性を示唆していると彼は付け加えた。

 この記録の科学的な信頼性の高さから、ラ・セレナUFO博物館の館長クリスティアン・リフォ氏は、この画像を博物館の展示に加えることを決定。「科学プロジェクトからこのような画像が提供されるのは異例のことです。このユニークな性格が、この記録に大きな重要性を与えています」と述べた。

 科学の目が偶然捉えた、時速947kmで飛ぶ謎の光。その正体は、未知の自然現象か、それとも我々の理解を超えた未確認飛行物体なのか。パタゴニアの空に現れたこの謎は、科学界に新たな扉を開いたのかもしれない。

参考:Coast to Coast AMCooperativa Ciencia、ほか

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。