まだ雨が降りしきる中、住人たちはほとんど何も持たずに外へと避難しました。

住人たちが避難して間もなく、村は大規模な土砂崩れにより、10棟近くの家屋が倒壊。

現在、地表に見える家はわずか4〜5軒で、それ以外は厚い土砂の下に埋もれてしまっています。

しかし、ナレンドラさんと犬のおかげで67人、20世帯が無事に避難することができました。

動物たちの変化が「自然災害」を事前に教えてくれるかも

生き残った村人たちは、近隣のトリヤンバラ村にあるナイナ・デヴィ寺院に避難しています。

彼らは突如として家も財産も失い、一部の住民は高血圧やうつ症状など、深刻な心理的影響を受けているといいます。

とはいえ、ナレンドラさんの飼い犬が異変を察知して吠えていなければ、また、ナレンドラさんが敏感に反応して村人たちに避難を呼びかけていなければ、多くの命は助からなかったでしょう。

この悲惨な災害の後、インド政府は、1世帯あたり1万ルピー(約1.9万円)の支援金を支給しており、周辺の村々からも支援が寄せられています。

では、なぜこの飼い犬は自分たちに迫る危険をを察知し、警告できたのでしょうか?

動物は人間よりも優れた五感を持っています。

特に犬は、地盤の微細な振動や、建物内部の音の伝導などを、聴覚や触覚を通じて感じ取ることができるといわれています。

今回のように、家屋の亀裂を把握することはもちろん、土砂崩れを察知できていたとしても不思議ではありません。

こうした動物の異常行動は、過去の災害でもたびたび報告されています。

スマトラ沖地震や東日本大震災でも、地震の前に異常行動を見せた動物の話が多く記録されています。

つまり、この飼い犬は「奇跡を起こした英雄」というよりも、自然界とつながる高度なセンサーのような存在だったのかもしれません。

そしてこの出来事は、私たち人間が見逃してしまう異変に、動物たちが敏感であること、そして彼らの行動を軽視してはいけないということを改めて思い出させてくれます。