筋トレの中でも人気があるのが、「大胸筋」のトレーニングだ。この部位を大きくするためには、POF法を覚えておきたい。POF法とは「筋肉がどの位置に来ると負荷が最大になるか」に着目したトレーニングで、重量や回数と同じくらい筋肥大には大切である。ここでは、大胸筋を鍛えるためのPOF法を紹介する。
POF法とはどのようなトレーニング手法なのか
まず、POF法がどのようなトレーニングなのか、その概念を解説しよう。POF法とは、「Position Of Flexion」の略で、直訳すると「屈曲の位置」という意味だ。
筋肉の運動には、以下の3つのフェーズがある。
- 伸びている時
- 縮んでいる時
- 中間
それぞれで最も負荷がかかる種目を選び、トレーニングメニューを構築していくことで筋トレの効果を高めるのが、POF法の根底にある考え方だ。
POF法の3つのトレーニング ストレッチ、コントラクト、ミッドレンジ
筋肉が伸びている時、縮んでいる時、中間のそれぞれを意識することでどのような効果があるのか、またどのくらいの重量や回数でトレーニングをすればいいのかを見ていこう。
ミッドレンジ種目 中間ポイントで強い負荷がかかるトレーニング
筋肉を伸ばしきらない、また収縮しきらないという中間ポイントで強い負荷がかかるのがミッドレンジ種目で、最大筋力の向上が期待できる。ミッドレンジ種目は、1セット3~5回程度を行うと効果が高いと言われている。
ストレッチ種目 筋肉伸展時に強い負荷がかかるトレーニング
筋肉を伸展するときに最も負荷がかかるトレーニングはストレッチ種目と呼ばれ、1セットで6~10回ほどの中程度の負荷をかけると効率が良いとされている。
具体的な種目としては、大腿四頭筋であればシシースクワット、上腕二頭筋であればインクラインダンベルカールなどがある。
コントラクト種目 筋肉収縮時に強い負荷がかかるトレーニング
ストレッチ種目と反対に、筋肉収縮時に最も負荷がかかるのがコントラクト種目と呼ばれるトレーニングだ。コントラクト種目を行う際は、1セット12~15回程度の比較的軽めの負荷で行い、筋肉に持続的な刺激を与えることで、効果的に筋肥大を促すことができると言われている。
大腿四頭筋ならレッグエクステンション、上腕三頭筋ならばプレスダウンといった種目がある。
POF法を行う際の順番は?
この3つの種目は、どのような順番で行えばいいのだろうか。基本的には負荷の強い順、つまりミッドレンジ種目→ストレッチ種目→コントラクト種目の順で行うのが良いと言われている。
ミッドレンジ種目で高い負荷をかけて神経系を鍛え、最大筋力を増加させる。次にストレッチ種目で物理的に筋線維を損傷させ、最後にコントラクト種目でパンプアップする、というフローが一般的だ。
POF法を使った具体的な大胸筋のトレーニング方法
次は、POF法に則って大胸筋を鍛える際、具体的にどのような種目を行えばいいかを紹介しよう。
大胸筋のストレッチ種目は「ダンベルフライ」
ストレッチ種目の代表は、「ダンベルフライ」だ。
- ダンベルを両手に持って上げ、ベンチに仰向けに寝る
- ヒジを軽く曲げながら、胸を開くようにダンベルを下ろしていく
- ダンベルを元に位置に戻す
胸を開いた状態が大胸筋が最も伸展しているので、この時に負荷をしっかりと意識することがポイントだ。
大胸筋のコントラクト種目は「ケーブルクロスオーバー」
大胸筋のコントラクト種目と言えば、「ケーブルクロスオーバー」だろう。
- 2つのケーブルの間に立ち、ケーブルを胸の高さで掴む
- 軽くヒジを曲げて、肩甲骨を張る
- 胸を寄せるイメージで左右のケーブルを寄せ、胸の前で合わせる
- 元の位置に戻す
左右のケーブルを寄せているときに、最も負荷がかかる。筋肉の収縮をしっかり感じられるように、あまり無理な負荷をかけず、正しいフォームで多めの回数行うと効果的だ。
大胸筋のミッドレンジ種目は「バーベルベンチプレス」
ミッドレンジ種目の代表は、トレーニーの中でも人気のある「バーベルベンチプレス」だ。
- ベンチに仰向けになって寝る
- 肩甲骨を寄せる
- バーベルを持ち上げ、ゆっくりと胸に下ろす
バーベルを持ち上げる
強い負荷をかけるため、重めの重量で行うのがポイントだ。正しいフォームで行うためのポイントは、以下のとおりだ。
- 肩幅の約1.5倍の広さでバーベルを握る
- 肩甲骨を寄せてできたアーチはキープする
- 肩でなく胸で上げるように意識する
- 脇の開きは90度でなく45~60度
重量を増やし過ぎてフォームが崩れたり、ケガをしたりしないように注意したい。
POF法を使って、より効率的な筋肥大を目指そう
POF法は筋肉の伸展、収縮、中間時に分けて、それぞれのフェーズで最も効果の高いトレーニングを行う方法だ。大胸筋を鍛えてYシャツやTシャツが似合う身体になりたいなら、一度は試してみる価値のあるトレーニングと言えるだろう。
文・MONEY TIMES編集部
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