ちょっとトレースする速度を緩めてやって、魚にあまーくルアーを見せてやるとやっと食い込んだ。20cmばかりのキビレだ。こんな魚でも貴重な一尾である。とりあえずボウズ逃れができた。安堵のリリース。そして再びキワを攻めていく。
本命チヌは突然に
しかしここから苦しめられることになった。およそ1時間半あたりがなし。このポイントは東西に広大なので捜し歩いていると結構疲れてくる。足が棒になりそうだ。
よく考えてみると、私は別に運動好きというわけでもないのに、釣りをしている間はちょっと尋常でない時間を歩いていることになる。この日は最終的に12000歩も歩いていたのだからすごいものだ。
ルアーを何度も変えてみる。ダメだったルアーももう一度通してみる。あのカラーがあればな……と先日ロストしたルアーをあらためて後悔したりもする。しかし、何もかもスカスカ。これは高水温きっついな……と呟いた。ほとんどあきらめかけたときに、オープンに投げて足元まで引いてくる途中に水しぶきを上げて魚がバイトした。

よし!本チヌだ。サイズを上げてみたら大したことはなかったが、このチヌ、えらい引いた。そうだ、夏のチヌってそうなのだ。小型でもやたらと引く。一度年無しの取り込みには30分かかったこともあったっけ。すごいルアーの飲み込み方をしている。取り外しには時間がかかった。
夏の夜はそろそろ厳しいか
この日は釣った時間のわりに2尾と物足りない釣果にはなった。さすがに湾奥の水域ではそろそろどんな魚も厳しいかな。ボトムを狙ってもみたが、カサゴもつついてこなかったし。今夏は1か月くらい前倒しで異常な暑さが訪れるという近年の「平常」がまたきているので、まあこんなものだろうと思うしかない。
それにしても釣り人というのは気候に左右される人種である。ここまで魚に鈍られると辛い。