ハナゴンドウは200頭以上の集団で生活する“極めて社会性の高い動物”として知られており、仲間との意思疎通は「エコーロケーション(反響定位)」というイルカ特有のコミュニケーション方法で行います。

この「エコーロケーション」は他にも獲物の感知や、周囲の地形を把握する際にも使われます。
エコーロケーションが原因?
白良ヶ浜海水浴場で繰り返されるハナゴンドウの座礁の原因については、現在もはっきりとした答えは見つかっていません。
しかし、長崎県生物学会誌の記事には、いくつかの有力な考察が記されていました。
白良ヶ浜は広い遠浅の海岸であり、いったんイルカが迷い込むと自力で沖へ戻ることが難しい地形。そして、海底が砂地であるため、イルカたちが周囲の状況を把握するために使う「エコーロケーション」がうまく機能せず、方向感覚を失いやすいという特徴があるといいます。
また、大量のイルカが一斉に打ち上げられた理由について、ハナゴンドウが集団で行動する習性が関係しているとも言われています。つまり、1頭が浅瀬に入り込むと仲間たちもその後を追い、結果として群れ全体が座礁してしまうというわけです。
地元にできる支援とは
五島列島・福江島にある白良ヶ浜海水浴場で繰り返し起きてきた、ハナゴンドウの座礁。
福江島には座礁した場合の“対処マニュアル”が存在せず、座礁した多くのハナゴンドウはそのまま命を落としてしまいます。
地元に生きる私たちは、座礁していくハナゴンドウたちになにができるのか。自然と改めて向き合う必要があるのかもしれません。
<ティガ/サカナトライター>